「自由の不自由」と「不自由の自由」
ルールと決まり事が良好な生活環境を維持する
一戸建てとマンションの選択について「自由の不自由」「不自由の自由」という視点で考えたいと思います。一戸建ての魅力は、独立性の高さと購入後の自由度の高さです。リフォームや建替えなどもマンションに比べると容易です。自由度の高さを魅力として捉える人も多いでしょう。一方、マンションの場合は専有部分と共用部分に分かれドアやサッシなどに関しても勝手に変更することはできません。専有部や共用部の使用法についても管理規約や使用細則で細かくルールが定められています。楽器の演奏の可否や時間帯、ペット飼育やリフォームについても取り決めがあるマンションがほとんどです。マンションでは、一定の制約のもと暮らす事になります。
しかし見方を変えると一戸建ては自由度が高い分どんな人が住むかによって街の雰囲気も影響します。落ち着いた街並みに一軒だけ原色系の派手で突飛な外観の建物が建築されると違和感があるでしょう。また商業系エリアや工業系エリアの住宅街は計画される建物によって街並みが一変する可能性もあります。マンションは、管理規約などでルールが定められており、管理会社が間に入っているのでトラブルがあった際も解決しやすいです。街並みという観点でも、開発規模の大きいマンションは醸成しやすいでしょう。
また、都市部に散見される土地面積が50平米前後のいわゆる狭小戸建は、隣接戸建てとの間隔が乏しく建替えの際敷地の制約も大きいので必ずしも将来も含め自由度が高いとも言えません。3階建てのつくりも老後は暮らしにくい場面も出てくるかも知れません。価格がリーズナブルなわりに、売行きがいま一つなのはこうした面もあるのでしょう。
最近の大規模な新築分譲戸建てのプランニングを見ると、マンションの良い面を採り入れた戸建ても増えてきています。例えば、タウンセキュリティの導入やコミュニティハウス(集会室)の設置、建築協定の設定など将来にわたって暮らしやすい環境を整えた街が目立ちます。こうした戸建て街は、多くの支持を受けている物件も目立ちます。
一戸建てかマンションは、今と将来の両方を見据えて
しっかりした購入プランで、自分価値で選ぼう!
以上を踏まえると、マンションと戸建てを単純に比較することはかなり無理があります。地域性によっても違うでしょうし、購入する家族の求める暮らしによってもどちらが適しているか分かれるとこでしょう。2020年頃には首都圏でも、人口のピークが来ると予想されています。最近人気を集めて価格が上昇気味の都心エリアも将来の資産価値が保証されているわけではありません。ライフプランニングを整理して、戸建てにするにしてもマンションにするにしても今と将来の両方を見据えて、しっかりした購入プランを計画することをお薦めします。売り手にとって難しいマーケットである今は、買い手にとっては良い物件に出会えるチャンス。ぜひ理想の住まいを手にして下さい。