テクノポップ/アーティストインタヴュー

その後の手工芸歌姫、RIKAさん(4ページ目)

2002年にインタヴューした手工芸歌姫、RIKAさん。1988年「ようこそシネマハウス」という僕的名曲をリリース後、正式リリースがありませんでした。2007年『Dragon Shock』CD化、2013年PINPONS名義で『とりあえずベスト!』と再び音楽活動を再開したRIKAさんに“その後”について伺いました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

性別ナシに憧れていた

ガイド:
PVもアップされている「ゼッケン」は、ノスタルジックな学校がシーンの歌。僕はRIKAさん以上に古い人間なので(笑)、別に何を、誰を、思いだすという訳ではないけれど、学校時代の郷愁に浸ります。ひとつ気づいたのですが、RIKAさんは「わたし」ではなく「僕」が基本、主語ですよね。これは、80年代もそうですよね。女の子が会えて使う「僕」、それとも男の子としての「僕」なんでしょうか? 確かに昔からボーイッシュですよね、RIKAさん。

PINPONS-ゼッケン (YouTube)

RIKA:
無歴史的なあてどないノスタルジーが大好物です。見たこともない風景なのに何故か懐かしい…みたいな根拠ないデジャブ感が好き。とはいえ「ゼッケン」の原風景はハッキリと母校のM中学なんですが。「僕」という人称を使うことに関しては私にも理由はよくわかってません。まあ昔から性別ナシに憧れていた傾向はないこともないですが。ひょっとして日本独自の少女文化とも関係があったりするかもしれません。ジェンダー問題、奥深いです。

閉ざされた空間

ガイド:
「8月のプラネタリウム」は、「ようこそシネマハウス」に通じるRIKAさんが愛してやまないと思われる「閉ざされた空間」がモチーフとなった歌。実は、僕も好きなんです、その世界。だから、博物館、特に公共のものよりその道の人が作った異質の空間としての博物館。RIKAさんも、きっとそうなんだろうと…如何でしょう?

RIKA:
です、です。閉ざされた空間(ある意味ゲームも)はメタフィクションの種。そして「この世界自体も閉ざされた空間かも?」なんて厨二病的な感覚に襲われたりすることがクラクラと楽しいのです。

謎の無国籍歌謡

ガイド:
「幸福ノ原理」…ゲームのことは知りませんが、中近東風、いや、この「妖しい無国籍感」は僕にとってニューウェイヴです。RIKAさんにとっての無国籍とは? 「駱駝」もそっちですね。

RIKA:
「幸福ノ原理」に関しては確か「大陸歌謡&戸川純的なニュアンスで」という発注でした。特殊エロゲーならではの特殊な注文です。面白そうなので喜び勇んでやらせてもらいました。なんちゃって民族音楽風のフレーズを切り貼りしてると、謎の無国籍歌謡になちゃうのが面白くて!

ヴァージンVSのファンジン

ガイド:
「輪転サアカス」では、大正~昭和初期のエレジーとでも言いましょうか、この世界観も間違いなく日本のニューウェイヴです。あがた森魚さん、戸川純さんなど、でもこの世界は日本ならではですよね。あがた森魚さんのファンジンも作っていたことあるんですよね?

RIKA:
あ、ファンジン作ってたのは「ヴァージンVS」の時です。今でも自分が作った大阪すみれ団のコピー誌持ってます。あがたさんやメリィさんのサインも入れてもらって宝物です!

 

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