行政書士試験/試験対策・勉強本の選び方

行政書士試験 直前期の模擬試験と予想問題集の利用法(2ページ目)

夏ごろから予備校で模擬試験がはじまります。また、春先あたりから書店では本試験と同形式の予想問題集が並びます。多くの受験生はこれらを本試験の演習として利用します。ただ、直前期は時間がありません。そこで、どちらの方が効率がいいのか、その利用法についてお話をします。

山本 直哉

執筆者:山本 直哉

行政書士ガイド


直前期は時間がないので、模擬試験と予想問題集のうまい選択を

行政書士試験は難しい試験なので、当然、模擬試験も難しいのです。多くの人が模擬試験の惨憺たる結果をみて愕然とします。毎年、受験生から最も相談を受けるのがこの時期です。惨憺たる結果の最大の原因は暗記不足です。では暗記だけに力を入れればよいのでしょうか。やはり本番形式の予行演習も必要なのです。ではどうすればいいのでしょうか。

初受験者は模擬試験を選択して専念するべきです。予想問題集は併用も避けるべきです。前のページでお話をしたように模擬試験の方が予想問題集よりも得るものが多いからです。

初受験者はとにかく暗記に力を入れ、確実に知識を習得してください。直前期の大切な時間を予想問題集に費やすより暗記に使った方がいいと思います。合格に近づきます。これは講師経験からの結論です。初受験者で合格した私の受講生の中に、予想問題集を併用している人はほとんどいません。

受験経験者は、模擬試験を必ず受けて、その上で予想問題集を併用するかどうか選択するべきです。ただ、模擬試験で150点を切るような方は予想問題集に時間をかけるのではなく、初受験者と同様に暗記に力を入れるべきです。その方が合格する可能性が高まります。

併用のポイント

それでも併用したいという人や、併用する余裕のある人のために2点ほどアドバイスをさせてください。

・予想問題集は苦手科目だけをやる
・他の予備校の予想問題集を使う

まず1点目、予想問題集を併用するときは苦手科目だけやりましょう。試験形式のように全部解く必要はありません。時間がかかりすぎます。点数のアップを目指すなら苦手科目に集中する方が合理的です。

次に2点目、予想問題集は自分の通った予備校以外の予備校のものを使う方がいいかもしれません。読みなれた文章と違った文章に慣れて欲しいからです。

講師をしていると、ある用語について、文章や視点を変えられると答えられない受験生が多いことに驚きます。原因は法律用語を単純暗記して意味を押さえていないので、文章を変えられると答えられないのです。言葉の意味をちゃんと理解すれば、文章が変えられても、視点が変わっても答えは出せます。

同じ分野の出題でも予備校が違うと文章や視点が変わることもあります。自分が法律用語の意味をちゃんと理解しているかを試す練習として、他の予備校の予想問題集はうってつけです。

最後に

模擬試験や予想問題集は多くの時間を割くことになります。解くのに3時間、復習はその2~3倍の時間を要します。一方で、直前期は暗記の総復習をしなければいけません。行政書士試験は暗記に重点が置かれている試験であることは間違いありません。暗記の総復習にしっかりと時間をかけることを忘れないようにしてください。
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