はじめに

夏ごろから予備校で模擬試験がはじまります。また、春先あたりから書店では本試験と同形式の予想問題集が並びます。多くの受験生はこれらを本試験の演習として利用します。しかし、直前期はただでさえ時間が足りないのに、模擬試験と予想問題集は多くの時間を費やします。そこでどうするべきか。模擬試験と予想問題集の両者を比較しながら、考えていきたいと思います。

値段と時間が省略できる予想問題集

市販されている予想問題集は、本試験と同形式の問題が3回分掲載されており、値段は2千円前後です。一方、模擬試験は3~4回程度で、値段は約1万円前後です。予想問題集の方が費用は安く済みます。

また、予想問題集は自分で時間管理ができます。例えば、時間がないから行政法と民法だけを解くということができます。しかし、模擬試験において、本試験と同様に試験開始1時間の退出を認めない予備校もあります。また、会場への移動時間や会場での待機時間など、模擬試験は時間を多くとられます。

社会人受験生の多い行政書士試験では、「時間」がとても大切なのです。本当に時間のないサラリーマンの方は予想問題集を選択するべきかもしれません。なお、私も時間がなく予想問題集だけを利用して合格しました。

本試験の予行練習になる模擬試験

ただ、本試験の予行練習として効果的なのは模擬試験です。予想問題集を自宅で解くとどうしても気が緩みがちです。仮に図書館や自習室で解いたとしてもあまり変わりがありません。模擬試験の緊張感を味わうことはできません。

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本試験は一年に一回。万全を期して受けたいものです。

また、自宅で予想問題集を解いても本番さながらのアクシデントがありません。本番さながらのアクシデントとは、座席がドアの傍で開閉がうるさかったり、隣が貧乏ゆすりをする人だったりなどです(これらは私が他の国家試験の模擬試験を受けたときの体験談です)。模擬試験ならばあり得ます。

これらのアクシデントが起きたとき、心持をどうすればいいか、どう対処すればいいか。本番で同じようなことが起こるかもしれません。これらは貴重な経験です。あなたは「隣の人の貧乏ゆすりがうるさいんですけど」と監督官に手を挙げて言えますか。

採点とデータに難がある予想問題集

予想問題集は記述式の採点に問題が生じます。自分の解答が、正解と全く同じならば別ですが、正解の類似した言葉を書いた場合に部分点がもらえるかなどの判断が自己採点なのでできません。模擬試験は講師が採点します。

また、予想問題集は正答率や偏差値などの詳細なデータが入手できません。データは弱点発見や捨て問の判別に有益です。この点を考えて、予想問題集の中には、問題ごとにランク付けをしているものもありますが、やはり生データには勝てません。

  次ページでは、初受験生と受験経験者にわけて、模擬試験と予想問題集の利用ついてお話をします。