中学受験の過去問題を効率的に実践するポイント

 
過去問演習は中学受験の志望校合格のためには不可欠!

過去問演習は中学受験の志望校合格のためには不可欠!


中学受験勉強において2学期以降に重要となってくる過去問の効率的なやり方のコツを知っておきましょう。ただ闇雲に、無計画にやらせても、効率が悪いばかりで志望校合格にはなかなか近づきません。過去問を効率的に解くために保護者の皆さまに必ずやっておいていただきたい下準備を3つのポイントに絞ってお話します。

Index
中学受験の過去問はいつから?何年分? 
過去問のポイント1 下準備:過去問成績の管理表を作成
過去問のポイント2 下準備:過去問ファイルの準備
過去問のポイント3 下準備:カンニング対策
過去問のポイント4 実践コツ
 

中学受験の過去問はいつから?何年分?

中学受験勉強中の小6受験生は、総復習期間である夏期講習を終えると、いよいよ実践練習の時期に入ってきます。まずやらなければならないことは、何と言っても志望校の過去問題です。学校説明会に行くと、学校の先生方も「過去問題を繰り返しやらせてください」とおっしゃいます。 過去問演習は、志望校合格のためには絶対に必要な実践演習なのです。

しかし、過去問をお子さんに買い与え、「ハイやりなさい」と言ってもそれだけでは不足です。きちんとした下準備をしておかなければ、せっかくの過去問演習も無駄になってしまいます。ではいったい過去問はいつからの分を実施すればいいのでしょう。また何年分をやれば充分と言えるのでしょう。そして過去問をスタートするのはいつがよいのでしょう。

まず過去問を始める時期ですが、もう今すぐにでも始めましょう。塾によってはまだ中学受験のカリキュラムを終えていないところもありますが、ほとんどの塾では夏休みまでですべてのカリキュラムを完了しています。つまり夏休み以降は、過去問をいつでも始めて大丈夫ということです。ちなみに9月から1月の日曜日と祝日をすべて数えると、大みそかと正月三が日を除いて29日間しかありません。模試や塾のテストなどでつぶれる日もあるでしょうから、過去問に使える休日は20日ちょっと。それを考えると今すぐにでも始めなければ回数を確保できないことになります。

では過去問は何年分やればいいのでしょう。同じ問題を繰り返す必要はないのでしょうか。もし第一志望がすでに明確になっていて、しかもその学校がお子さんの実力よりも上の学校なら、少なくとも過去問題集に掲載されている分は全て実施したいです。問題集に収蔵されているのはおおむね10回分程度ですから、10回分日数は最低でも確保しましょう。第二志望の学校もお子さんの持ち偏差値よりも上なら、そちらも10回分確保したいですから、これだけでも9月以降の休日は全て使ってしまう計算になります。なお滑り止め校や練習校は1~2回で結構です。とにかく第一・第二志望の過去問演習に充分な時間を割くようにしてください。

 

中学受験の過去問 下準備1
:過去問成績の管理表を作成

過去問演習を何の計画も立てずただ実施するだけでは、残念ながら学習効果は薄く、中学受験の志望校合格にも近づけません。やはりきちんとした下準備が必要になってきます。

そこでまずは過去問の点数を管理するための「」を作成してください。この表には、算数・国語・理科・社会の四科目の点数を単純に記入するだけでなく、できれば単元ごとの得点を記入できるようにしておきたいです。正答率や合計点などは自動計算できるとよいので、Excelなどで作成されることをおすすめします。

中学受験の過去問題に取り組んだら、しっかりと点数を記録し、数値化しましょう。そしてそのデータを元に弱点単元を洗い出したり、合格最低点をクリアするための得点計画を練ってください。

例えば「合格最低点にあと20点足りないから、まず算数の計算問題での失点を1問減らそう。国語の漢字や語句をきちんと勉強してもう5点取ろう……」などのように、具体的に練ることが大切です。面倒くさい作業ですが、解いた過去問をそう生かすことで中学受験の志望校合格が近づいてきます。
 

中学受験の過去問 下準備2
:過去問ファイルの準備

過去問演習を行う最大の目的とは一体何でしょう。それは「その学校の出題傾向をつかむ」ことと「その学校の出題形式に慣れる」ことの2点です。つまりこの目的が達成されなければ、中学受験の過去問演習に時間を割くことは無意味になってしまいます。

そのために必要なことは過去問の「答案分析」と「解き直し」です。もちろんこれらは模試などを受けたときにもとても重要なことなのですが、残念ながらきちんとできている生徒はごく少数です。

そこで保護者の皆さまには、そのためのツールをご準備いただきたいと思います。それは中学受験過去問題の答案管理ファイル解き直しノートの準備です。私は「ルーズリーフファイル」と「ルーズリーフ用穴開け機」をおすすめしておりますが、ものは何でもよいと思います。テプラなどでタイトルを作成してあげるのもよいでしょう。ものを準備することで、お子さんのモチベーションも上がります。大変ですが頑張って下さい。

 

中学受験の過去問 下準備3
:カンニング対策

最後に少しショッキングなお話をしたいと思います。

子どもというものはカンニングをしてしまう生き物です。多くの生徒がこの「カンニング」という経験をして大人になります。これは私の経験則ですが、男子の9割はカンニングを経験しているはずです。女子は男子にくらべてカンニングは少ないと思いますが、それでも全くゼロということはあり得ません。

それに反して、保護者の皆さまが「うちの子カンニングしているかも」とお考えになる割合は、実際にカンニングをしている割合よりもずっと低いものです。大人の善悪の判断の基準と、子ども達の善悪の判断の基準とに解離があることも一因ですが、親は「まさかうちの子に限って」と考える傾向が強いことも大きな要因のひとつでしょう。とにかく、保護者の皆さまには、ショックとは思いますが、「子どもはカンニングするものだ」と思っておいてください。そして、それを「悪」とは決めつけないであげてください。

ではどんな場合に子どもはカンニングしやすいのでしょうか。まず、保護者の方のガードが甘い場合、お子さまのカンニング率は上がります。「うちの子に限って」とお考えの方は注意が必要でしょう。過剰に疑心暗鬼になる必要はありませんが、下記にご紹介する対策をしっかり行っていただくことが大切です。

また、過去問の成績と中学受験の志望校レベルがかけ離れている場合、カンニングをする割合はグンと上がります。特に保護者の方が過度に期待しすぎているケースでは、お子さまはその差を埋めようとして、プレッシャーから、ついついカンニングをしてしまいます。

過去問のカンニング対策は簡単です。過去問の冊子をそのままお子さまに渡さない、ただそれだけです。まずは、問題及び解答用紙を全部コピーしてください。問題冊子をバラバラにしてしまってもよいでしょう。その問題だけをお子さまに渡して過去問演習をさせるのです。問題集の本体は親しかわからない場所に管理して、場合によってはカギなどをかけていただくと完ぺきです。

とにかく、過去問題集の解答・解説のありかをお子さまに知られなければよいのです。こうすることでお子さまが、安易に答えを見てしまって実力以上の結果が出てしまうのを防ぐことができます。今の本当の実力がわからなければ中学受験の志望校の対策も立てようがありません。「彼を知り己を知れば百戦殆うからず(かれをしりおのれをしればひゃくせんあやうからず)」戦いに勝つためには、相手のことも自分のこともしっかりと把握することが肝要です。

 

中学受験の過去問 実践ポイント

ところで過去問は、いったい何のためにやるのでしょう。志望校の傾向を知ることももちろん目的のひとつですし、試験時間に合わせて問題を解くペース配分を考えることも重要な作業となります。しかし一番大切なことは、合格最低点に対してどのくらい点数が足りていないのか、すなわち合格基準と現在の学力とがどのくらい離れているのかを知ることであると私は思います。
合格するために何点足りないのかを考えることは、今後の学習に大きな影響を与えます。

たとえば300点満点の入試で合格最低点が190点、自分の得点が150点(算数40点、国語60点、理科30点、社会20点)だとしましょう。するとあと40点分を稼ぎ出さなければなりません。理科と国語はすでに6割取っているので点数の上乗せは難しい。とすると算数と社会で稼ぐしかない。算数は計算ミスなどがあったのであと20点は上乗せできそう。苦手な社会の暗記方法を見直して知識問題集をおこない何とか35点を目指す。あとの5点は理科の苦手な天体を復習してなんとかひねり出そう。こんな風に作戦を練ることで、今後の学習の道筋が立つはずです。やみくもに問題集をひたすらやるだけでは、合格への最短コースをたどることは難しいです。

過去問を実施して合格最低点との開きを実感してください。そして科目ごとに細かく作戦を練り、学習計画を立ててください。「知彼知己、百戰不殆(彼れを知り己れを知れば、百戦殆うからず)」孫氏の兵法でもそのように謳われています。まずは志望校の過去問を知り、自分の現在の学力を知り、きちんと作戦を練ってください。そうすれば合格はおのずから手に入るでしょう。


保護者の皆さまにとっては仕事が増えてしまい大変かもしれませんが、お子さまの志望校合格のため、頑張ってください。
 
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