スペシャルなMのスペシャルなボディ
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はBMW Z4 Mロードスター/Z4 Mクーペ(絶版)をご紹介したいと思います。ロードスター、クーペともに最高出力は252kW(343ps)/7900rpm、最大トルク365Nm(37.2kgm)/4900rpm。コーナー出口での加速時に操縦安定性と最適なトルク配分をもたらすバリアブルMディファレンシャルロックが備わります
しかも、なぜか現行型Z4には同様のMモデルが設定されていないんです。またこのクラスの2シーターオープン/クーペで走りに特化した車なんて、他にはポルシェボクスター/ケイマンのSやGTSくらいではないでしょうか。
そう考えると、ロードスターのほうは特に貴重なモデルと言えそうです。オープンで、2シーターで、Mモデル。オープンカーではM6カブリオレもありますが、あちらは4座である以上、やはりでかい。
現行のM6カブリオレの全長は4905mm。対してZ4Mロードスターは4120mmと、約800mmも短いのです。またM6カブリオレがV8を搭載するのに対して、こちらは“シルキーシックス”と呼ばれるなど、ファンの多い直列6気筒。
最高速度は250km/hでリミッターが作動します。停止時から100km/hに達する時間は5秒。ブレーキシステムはモータースポーツから移植されたもので、100km/hからわずか34メートルで停止します
さて、原稿執筆時点で中古車を見てみると、Z4 Mロードスターは2台、Z4 Mクーペは5台見つかりました。最安値はZ4 Mロードスターの2006年式/4.7万km/修復歴なしで288万円です。
新車時価格は829万円ですから、余裕の半額以下。約65%も値が落ちています。
一方Z4 Mクーペも299.8万円(2006年式/7.1万km/修復歴なし)から見つかります。こちらの新車時価格は807万円でしたから、約63%値落ちしています。
M=走りのモデルというイメージがあるのでしょう、やはり剛性面で有利なクーペがやや人気があるようです。しかし先述のようにMでは希少となるオープンモデルのロードスター。私ならこちらを選びます。
胸のすくような直列6気筒をオープンモデルで味わったら、その官能的な乗り心地&エギゾースト音で脳みそがアイスクリームのように溶けてしまうんじゃないか……なんて余計な心配を今からしてしまうほど、おいしくなっています。
Z4 Mロードスター/Z4 Mクーペの魅力を、次ページでさらに見ていきましょう。