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異次元の画質とデザイン『SIGMA dp2 Quattro』

SIGMA DPシリーズは独自方式の高画質センサーを搭載したレンズ固定式のデジタルカメラで、プロカメラマンも含め一部のユーザーから熱烈な支持を受けています。今回は三代目になり、従来の気難しい面が改善され使いやすく、さらに高画質になりました。

ゴン 川野

執筆者:ゴン 川野

デジタルカメラガイド

説明用画像

SIGMA dp2 Quattro


独自センサーが実現した超高画質

デジタルカメラをアピールする常套句に高画質という言葉がありますが、シグマの高画質は根本的に違います。皆さんはデジタルカメラのセンサーが色を感じられないことをご存じでしょうか? 実は光の明暗しか分かりません。それなのになぜカラー写真が撮れるのか。秘密はカラーフィルターにあります。カラーフィルターは光を三原色に分ける働きをしています。三原色に分けて保存したデータを元に、印刷のように再び重ね合わせるとフルカラーの画像が得られる仕組みです。デジカメのセンサーは平面上にそれぞれR、G、Bの光を担当する素子が規則性をもって並べられています。これをベイヤー配置と呼びます。規則性はモアレの原因となり、それを取り除く必要悪としてのローパスフィルターが必要になります。

それではシグマのセンサーはどうなっているか? センサーを平面ではなく垂直方向に三層重ねています。これを垂直色分離方式と呼んでいます。ベイヤー配置のセンサーはB/25%、G/50%、R/25%の色情報を受け取り、後は計算で色を再現しますが、シグマのダイレクトイメージセンサーはRGBの色情報を100%で取り込んでいます。垂直配置なので、規則性の問題はなくローパスフィルターも不要です。『dp2 Quattro』はこのセンサーをさらに進化させ、解像度を約30%向上、データサイズを小さくすることに成功しました。センサーの性能を活かすためにレンズは交換のできない固定式です。dp2は45mm相当のレンズ搭載カメラで、今後発売予定の28mm相当のdp1、75mm相当のdp3の3台合わせて広角、標準、望遠をカバーするという贅沢なシステムになっています。


横長の斬新なデザインに変身!

これまでのシグマのデジタルカメラは、コンデジを大柄にしたようなオーソドックスなデザインでしたが、Quattroは違います。まず、一眼レフよりも横長なボディ。そして背はグッと低くなっています。大型の液晶モニターを搭載すれば、必然的にこのような形に集約されそうですが、実際にやった製品はありませんでした。

フロントパネルはシンプルそのもので、dp2のロゴが彫り込まれホワイトの塗料が流し込まれている以外は真っ黒です。上面にはパワーボタンにMODEボタン、シャッターボタンとツインダイヤルが並ぶだけです。静止画専用カメラなので動画ボタンはありません。極めてシンプルな操作系ですが、一眼レフよりも快適に使えました。ただし、グリップはもう少し高さがあった方が私の手には落ち着くと感じました。
説明用画像

グリップは手前に大きく膨らんだ形状になっている。違和感なくホールドできダイヤルとシャッターの操作しやすかった

説明用画像

上から見るとこのような形をしている。ボディはスリムだが、レンズが大きいことが分かる


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