港とレンガとシーフード!見どころいっぱいの元祖ハンザ都市ヴィスマール
切妻屋根の建物が並ぶ美しい港町、ヴィスマール。ゲオルグ教会の展望台からの眺めは絶景
17~18世紀、ヴィスマールはスウェーデンの支配下に置かれ、ドイツに戻ったのは1903年のことでした。当時はこの町を「南スウェーデン」と呼ぶ人もいたそうですが、今も町のあちこちでスウェーデンの旗や「スウェーデンの頭(Schwedenköpf)」と呼ばれる像が見られ、夏には「スウェーデン祭り(Schwedenfest)」が開かれるなど友好関係が続いています。
ヴィスマールは小さな港町ですが、バルト海南部で最も保存状態が良いハンザ都市で、2002年にはシュトラールズントとともに「シュトラールズントとヴィスマールの歴史地区」として世界遺産に登録。とくにレンガのゴシック建築群は有名で、デンマーク、ドイツ、ポーランドを通る「ヨーロッパ・レンガゴシック街道」のルート上でも重要ポイントとされています。
北ドイツの沿岸部ではレンガ造りの建物が多く、港町の風景と絶妙にマッチして風情豊か。同じドイツでも、南ドイツとはまた違った魅力があります。ヴィスマールは世界遺産の町でありながらもそれほど観光地化されておらず、北ドイツのなかでもおすすめの穴場。港町の開放感や、しっとりと情緒あふれる町並み、美味しいシーフードをたっぷりと堪能してください。
ヴィスマールへのアクセス
ハンブルクから特急ICに乗りシュヴェリーンでREに乗り換え約1時間半、ベルリンからREで約3時間マルクト広場から町歩きを始めよう
町の中心、マルクト広場には市庁舎や観光案内所、レストランなどが立つ。美しい給水塔(写真右)が印象的
マルクト広場は100メートル四方のほぼ正方形になっていて、市庁舎や観光案内所、ホテル、レストランなどが軒を連ねています。スウェーデンの国旗を掲げたレンガ造りの建物「アルター・シュヴェーデ(Alter Schwede)」は、1380年に建てられたヴィスマール最古の建物。現在は魚料理が評判のレストランになっています。
この広場でひときわ目をひくのが、青銅製の屋根が付いた美しい給水塔。かつてビール醸造が盛んだったヴィスマールでは大量の水が必要だったため、町の中心に給水塔や水路が作られました。
次のページでは、レンガゴシックの教会群や、ユニークな建物が並ぶ旧市街をご紹介します。