光源の熱問題と器具の大きさ
白熱電球はスイッチを切ってからでも、すぐにバルブを触ると火傷をしそうになるくらい熱いです。このように電球が熱いのは、電気エネルギーのうち約10%しか光にならず、残りが熱に変わるからです。
したがって白熱灯器具はワット数の高いランプを使用する場合、その熱を逃がすために器具自体を大きくしたり、開口部を広くとったりします。
LEDは白熱電球に比べ熱があまり出ません。つまり光に熱がともなわないのです。しかし電気エネルギーの全てが光になっているわけではないため、光にならなかったエネルギーは自己発生熱となってLED素子部などから放出されます。
LEDは光源部やその周辺温度が低いほど発光効率が高まり、ランプ寿命も延びます。LEDでもより高い照度を求めようとすればハイパワー化が必要ですが、何もしなければ高温になって効率や寿命の低下が起こります。
これをLEDの悪循環と言っています。このような悪循環を抑えるために、LEDの基盤で放熱を図ったり、LEDランプの場合は例えばランプにヒートシンクを設けて放熱します。しかし、LEDの基盤やランプで放熱を図っても、肝心の照明器具で放熱が悪いと意味がありません。
そのため照明メーカーがより小型の器具を開発する場合、器具内の温度上昇でLEDランプの性能をいかに損なわないようするかが課題になります。
一般的なLED器具はLED自体の発光効率が高く、低ワットでも明るさがとれるため、明るさのわりに器具は小さく収まります。ダウンライト器具で例えると、一般照明用電球の場合、60Wは開口径がΦ120くらいあったのが、同じ開口径であればLEDランプだと10Wくらいで済みます。明るさもほぼ同等ですから、いかに省エネルギーであるかが分かります。
次のページでは、Tonsの超小型LED器具についてご紹介します。