東京都の発表によれば、平成32年に開催される東京五輪による経済波及効果は、平成25年から平成32年までに、全国で約3兆円、雇用誘発数は約15万人とされています。
わが国に大きな経済効果を与える一大イベントとなりますが、賃貸住宅経営にはどのような影響があるのでしょうか。

五輪競技会場地域への影響

東京五輪は賃貸住宅経営にも大きな影響を与える

東京五輪と賃貸住宅経営

五輪の競技会場として利用される地域は、五輪効果を最も大きく受ける地域となります。
東京五輪の競技会場は、代々木・神宮前エリアを中心としたヘリテッジゾーンと、お台場、夢の島、大井などを中心とする東京ベイゾーンに分かれます。

ほぼすべての会場が半径8キロ圏に位置しており、この狭い範囲に複数の競技会場などの建設が予定されています。
特に、東京ベイゾーンへの建設が多数予定されていますが、交通網などのインフラの強化が進むことになる為、地域の住環境が飛躍的に向上することになるでしょう。

五輪効果を見越した動きは既に始まっており、競技会場地域やその周辺の土地の需要が大きく上昇しています。地価公示においても、都営地下鉄勝どき駅に近い中央区勝どき3丁目、中央区佃3丁目は上昇率がともに10.9%を記録し、東京都の住宅地で最も高い上昇率を示しました。
その他、中央区月島3丁目が10.8%、江東区豊洲4丁目も8.6%と大きく上昇しています。

建築費は更に上昇する可能性も

先述の通り、平成32年の東京五輪開催に向け、今後、多数の競技会場の建設や大規模なインフラ整備が予定されており、多くの人手が必要となることが予想されます。
雇用が生まれることは日本経済にとっては喜ばしいことですが、人手不足による人件費の高騰は建築費の上昇に繋がります。

また、この影響は競技会場地域に留まらず、賃貸住宅市場全体に及ぶことになる為、今後、新たに賃貸住宅を建築しようとお考えの方は、どの地域であっても建築費の上昇は覚悟しなければなりません。
建築費が落ち着くまで賃貸住宅の建築をしばらく見送るという考え方もありますが、アベノミクスにより順調に実体経済が回復しインフレが進行した場合、需要の更なる拡大とともに、今後、更に建築費が上昇することが予想されます。

また、アパートローンについても金利が上昇する可能性がある為、賃貸住宅の新築を検討する場合には、経済状況はもちろんのこと、新築する立地の将来性なども含めて総合的に判断する必要があります。

東京五輪が終了した後にも要注意

東京五輪開催決定を機に、賃貸住宅の新築や土地の取得を検討しているのであれば、五輪が終了した後についても考慮しなければなりません。

例えば、近隣に建設された五輪関連施設が、終了後にどのように活用されるのか、そして、五輪終了後も人気を集める施設となり得るのかも、しっかりと見極める必要があります。
つまり、五輪が終了した後も、引き続き資産価値の高い不動産として評価されるかどうかがポイントになるのです。
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