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(1) 民法に関する出題 【平成25年度】
【解 説】Aが平成24年4月、甲マンションの301号室の購入に際し、B銀行から融資を受け、同室にBの抵当権を設定し、その旨の登記がなされた場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば正しいものはどれか。
1 Bの抵当権設定後に、Aから301号室を賃借した者は、その賃貸借契約が3年を超えないときに限り、賃借権をBに対抗することができる。
2 301号室の一部が火災により損傷し、Aが火災保険金を受け取ることができる場合、Bは、当該火災保険金請求権を差し押さえてこれを行使することができる。
3 AのBに対する債務について、Cが連帯保証人になっている場合、CはBからの請求に対して、抵当権の実行を先に行うべきことを抗弁することができる。
4 Bが抵当権の被担保債権をD社に譲渡しようとするときは、Aの承諾が必要であり、Aが承諾しないときは、被担保債権及び抵当権はD社に移転するが、そのことをAに対抗することはできない。
1 誤り 抵当権設定の登記なされた後に賃借権の対抗要件が備えられた場合には、抵当権が優先します。
2 正しい 抵当権には物上代位性が認められており、抵当権が設定された後に火災保険金が支払われた場合、抵当権者はその火災保険金に対して抵当権を行使することができます。
3 誤り 連帯保証人は保証人と異なり、主たる債務者に債務の履行を催告することを請求すること(催告の抗弁権)は認められていません。
4 誤り 債権の譲渡に際して債務者の承諾は不要であり、譲渡したことに関する債務者への通知があれば対抗できます。
したがって、正解は「2」です。
(2) 管理組合会計に関する出題 【平成25年度】
【解 説】甲マンション管理組合では、平成24年度(平成24年4月1日から平成25年3月31日まで)の決算において、修繕費80,000円を未払金として計上していたが、平成25年4月19日にこの修繕費を誤って100,000円振込み、全額を修繕費で会計処理した。
誤って処理した20,000円については、相手方から来月返金されることになっている。これに伴い、4月末分の月次処理で甲が行うべき仕訳で適切なものは次のうちどれか。ただし、甲が4月19日に行った仕訳は取り消さず、追加の仕訳で対応するものとし、会計処理は発生主義の原則によるものとする。
1. (借 方) (貸 方)
未払金 20,000 修繕費 20,000
2. (借 方) (貸 方)
未払金 80,000 修繕費 80,000
3. (借 方) (貸 方)
未払金 80,000 修繕費 100,000
未収金 20,000
4. (借 方) (貸 方)
未払金 80,000 修繕費 80,000
未収金 20,000 現金預金 20,000
・平成25年3月末時点での仕訳
(借 方) (貸 方)
修繕費 80,000 未払金 80,000
・平成25年4月19日時点の仕訳(誤り)
(借 方) (貸 方)
修繕費 100,000 現金預金 100,000
※修繕費を再度借方計上しているうえ、金額も間違った処理になっています。
・平成25年4月19日時点の正しい仕訳
(借 方) (貸 方)
未払金 80,000 現金預金 100,000
未収金 20,000
※未収金は、振込み超過分で将来返金される予定のものです。
4月19日時点の仕訳を取り消さずに、4月末時点で本来の正しい仕訳になるようにするには、2重計上の状態にある修繕費を貸方計上することで取り消す必要があります。
・平成25年4月末時点で必要な追加仕訳
(借 方) (貸 方)
未払金 80,000 修繕費 100,000
未収金 20,000
したがって、正解は「3」です。
いかがでしたか?民法や会計は、区分所有法と同様に初学者にとってなじみが薄く、理解するのに時間を要します。なるべく早い段階でインプット学習を終わらせてアウトプット学習に入ることで重要論点を確実に押さえることをお奨めします。