行政書士試験/行政書士のキャリア・開業

資格取得後の独立体験記 第31回 行政書士会(2ページ目)

行政書士は行政書士会に所属することが義務付けられており、行政書士会に所属しないと仕事ができません。行政書士会について受験生や新人行政書士から質問を受けることがあるので、とりあげたいと思います。

山本 直哉

執筆者:山本 直哉

行政書士ガイド

行政書士が行政書士会を訪れるのは……

行政書士登録をするには都道府県の行政書士会に赴かないといけません。登録事務は日行連が行いますが単位会で申し込みができます。大阪の人は、東京の日行連まで行かなくても、大阪府行政書士会を通じて登録申請ができます。

また、入会後に行われる登録証の交付式も多くの新人行政書士が参加することになります。その際も、行政書士会に顔を出すことになるでしょう。

ですが、これ以外に行政書士会を訪れる機会はあまりないかもしれません。私は何度か行政書士会に行きましたが、中には、入会式以来、訪れたことがないという人もいます。

ところで、東京都行政書士会には、業務研修のDVDが備え置いてあり、視聴できます。ただ、このDVDは貸し出しが認められていないので(今後、動画配信が検討されているようです)、視聴したい方は行政書士会に足を運ぶことになります。私も業務研修の資料をもらいに行政書士会に行きました。

なお、行政書士会の建物自体は大きくないので、大きな研修は他の施設で行います。例えば、数百人が集まる入管関係の業務研修は通常ホテルなどで行われます。東京、愛知、宮城の研修に参加したことがあるのですが、いずれもホテルなどで行われました。

役職に就くのは

行政書士会には役職があります。どうしたら行政書士会の役員になれるのですかと質問を受けることがあります。簡単に言えば選挙です。ただ、選挙と言っても、行政書士全員による直接選挙ではなく、行政書士の中から代表者を選び、その代表者による選挙で決まります。

さらに、どうしたら会長になれるのですかと質問を受けたこともあります。なかなか意欲的な質問です。私は役員経験がないので正確にお答えしようがなかったのですが、以下のようにお答えしました。

都道府県の行政書士会の下には、支部と言うものがあります。まずその支部の役員になり、支部長になり、次は、行政書士会の役員になり、行政書士会の会長になり、そして、日行連の会長という経歴を経るのが一般的だと思います。長い道のりですね。

仕事の斡旋は

これもよく聞かれるのですが、行政書士会が仕事の斡旋をしてくれますかという質問です。

地方の行政書士会に所属する行政書士から、単位会から仕事の斡旋を受けたという話をきいたことはありますが、やはり単位会ごとに違うのではないでしょうか。東京会は5千人近く登録をしているので……。

私の経験から言いますと、仕事の斡旋ではありませんが、行政書士会からの紹介でという形で、ある法人から原稿の依頼を受けたことはあります。ボランティアでしたが、面白そうだったので依頼を受けました。

行政書士と日行連・行政書士会について

行政書士の業務は範囲が広く、法改正の情報を正しく把握するだけでも一苦労です。行政書士個人だと、能力も時間も費用にも限界があります。

そこで行政書士会の発行する会報誌が役立ちます。法改正情報や申請書式の変更などについて特集を組んでくれます。また、日行連や単位会が開催する業務研修も不可欠です。このほかにも、行政書士会は行政書士個人でできないことを補完してくれています。

日行連や行政書士会という団体があるからこそ、行政書士制度が維持運営できるのです。それを考えると行政書士にとって不可欠の団体なのです。
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