エキストラに参加するには?
行き来する人もエキストラです。
捜査会議を埋め尽くすスーツ姿、マスクで顔が見えない鑑識の面々、レストランでランチを楽しむ人、道路の向こう側を歩く人、横断歩道を行き交う人、ドラマの様々な場面にエキストラが登場しています。台詞はありませんが、日常の風景やその場面の雰囲気を作り出すエキストラはドラマを支える大切な存在です。
エキストラには、インターネット(パソコンや携帯)から応募し作品に参加している一般の視聴者がいます。その方たちをボランティアエキストラと呼びます。今回はそのボランティアエキストラを紹介します。
エキストラにやって来る人たちはこんなかんじ
1. 趣味謳歌型1)自適悠遊タイプ
定年退職された方、子育てが落ちついた方などで、新しい自分に挑戦したり新しい世界を体感しようと参加される方。人生を楽しまれているみなさんです。
2)週末エンジョイタイプ
オフィスでパソコンとにらめっこする日々は、外気に触れることもなく、運動不足が気になります。週末はいつもと違う駅で降りて、いつもと違う世界を体験し、リフレッシュしようとするタイプ。切り替え上手な方が多い印象です。
2.社会見学型
ドラマに対してマニアックな視点を有している方が多いようです。「現場はどうなっているのか見てみたい!」と参加される方たち。監督、脚本、演出家等に精通し、興味津々で来られます。機材に高まり、撮影の手順に高まり、「チェックします!」「OKです!」の声に高まり……、おそらく帰宅後マニアックが加算され、新たな視点でドラマを語られていることでしょう。ドラマガイドとしても気になる存在です。
3.テレビ記念日型
「せっかく東京(近郊)に住んでいるのだから」 「就職したら(テレビに)出られないから」「子育ても終わったし、一度くらい行ってみたいわ」とテレビ出演を記念にしようと参加される方たち。こういう声を耳にするたび、テレビは特別な存在、憧れの存在なのだと改めて思います。映るかどうかは別として、現場の空気を感じるだけでも素晴らしい記念となりますね。
4.芝居追求型
役者さんの生の演技を観たい、感じたい。ドラマファンなら誰だってそう思います。参加する場面によっては、役者さんのいない場合もありますが、アクションシーンや法廷シーンなど、白熱した演技を目の当たりにできることもあります。特定の役者さんに会いたいと、ファンとして現場に足を運ぶよりは、作品をつくる一人のエキストラとして参加する方が、視野も広がり楽しそうです。
エキストラの役柄とは
雨のなかを歩くこともあります。
あちらの歩道を歩いているのも、信号待ちしているのも、みんなエキストラです。携帯片手に足早な人、時計で時間を確認する人、ゆっくり歩く人、歩くといっても様々。エキストラは意外に深いのです。
2.マスコミ関係
登場人物が記者やカメラマンに取り囲まれているシーンや記者会見のシーンでもエキストラは活躍しています。メモをとったり詰め寄ったりの場面ですね。
3.警察関係
捜査会議、鑑識、黄色いバリケードテープの前に立つなどなど、黒いスーツや制服姿で演じます。炎天下の制服姿など汗だくで頑張ることもあるわけです。
4.観客
試合観戦、発表会や舞台などの観客などもエキストラです。大人数現場が多く、大々的に募集されることもあります。
エキストラに応募する前に
1.応募して、誰もが参加できるわけではありません競争率が高い現場もあります。何回応募してもかなわないこともあります。時間的に融通の利く方が多いため女性は男性よりも競争率が高くなりやすいものです。また、警察関係の役なら黒髪とか、披露宴のシーンならフォーマルな衣装を用意できる老若男女など、その都度求められるものが違います。条件を確認して応募しましょう。
2.時間厳守です
時間厳守です。
3.あくまでボランティアでの参加です
もちろんギャラはありません。ロケ弁も交通費も基本的にありません。予定された撮影時間を考えながら、飲み物や軽くつまめるものを用意するといいですね。
4.時間は流動的です
すぐに終わる時もあれば、相当時間がかかることもあります。応募のとき、ほとんどの場合、予定時間も記載されていますが、天候、交通事情など様々な条件で撮影時間が変わること、そもそも待ち時間が長いことも認識しておきましょう。
参加が決まったら
1.テレビに映ることではなく、エキストラとして作品に参加することが目的です。ブランド尽くしやキャラクター全開の衣装は基本的にNGです。「こんな服装で来てください」をきちんと守りましょう。2.夏に冬のシーンを撮る。冬に夏のシーンを撮る。なんてことも少なくありません。扇子、水分、カイロなど気候の状況に応じて準備し、体調管理をしっかりしましょう。
エキストラが現場でやってはいけない5つのこと
現場ではエキストラを担当されるスタッフがいます。こんな風にしてくださいと指示がありますので、それに従いましょう。ついつい…の気持ちを起こしてはいけません。
1.見てはいけない例えば通行するシーンを撮っているとき、俳優さんとすれ違うからと、俳優さんに見とれていてはいけません。会社に向かっている、待ち合わせ場所に向かっている、あなたはそういう誰かなのです。
2.映ろうと思ってはいけない
カメラの方ばかり見てはいけません。自分ではわかっていないつもりでもすぐわかってしまいます。
3.音を出してはいけない
「テスト!」「本番!」と必ず声がかかります。しっかり聞き、カメラが回っている間は絶対に音を出してはいけません。携帯音もNGです。
4.会えると思ってはいけない
自分の好きな俳優さんがレギュラーだからと言って、その現場に来るかどうかはわかりません。誰が来られるかどうか公表されることもありません。
5.(SNS等で)情報を漏らしてはいけない
見聞きした内容をどこにも漏らしてはいけません。鉄則です。絶対に守りましょう。
エキストラ募集の情報を得よう
インターネットで応募します。
1.東京「エキストラ」NOTES
ほぼすべての情報が網羅されています。ただし、ここで募集をしているわけではなく、募集中の作品を紹介しているサイトです。内容をしっかり確認しましょう。
2.テレビ局での募集
TBS ボランティアエキストラ募集では、常時募集の告知がされていますが、ほかのテレビ局では作品ごとに希望者が登録し、登録した人に撮影の案内が来る「登録制」が多いようです。登録に関するサイトが常時あるわけではありません。登録の募集については、作品のHPで告知されることもありますが、2時間ドラマなど単発のドラマはHPが出来上がるころは撮影が終わっていることがほとんどです。東京「エキストラ」NOTESを参考にすると確実かもしれません。フジテレビの一部のドラマについてはフジテレビクラブに入会すると案内メールが来ます。
3.そのほか
共同テレビジョンで募集されることがあります。撮影中の作品のツイッターで募集されることもあります。
監督、助監督、カメラ、音響、照明、衣装……ドラマの現場は大勢のスタッフに支えられています。そしてそれぞれのチームが声を掛け合い、真剣に取り組む姿には感動があります。また俳優さんの気迫ある演技、いい作品にしようとする思いには胸を打たれます。
ドラマはまさに人間が人間を描くものであり、手づくりで進んでいくもの。血の通った現場のエネルギーをほんの少し感じることができるエキストラを演じてみると大好きな作品が、さらに好きになるのではないでしょうか。
【関連記事】