走るのが好きな人こそ新型デミオに魅力を感じるはず
新開発のクリーンディーゼルを搭載する新型デミオのプロトタイプに試乗した(以下デミオDと略)。デミオDは現在、軽自動車を除く販売台数1位のトヨタ・アクアや2位のフィット(に含まれるハイブリッド車)と、経済性で真正面から戦えるECOなクルマである。試乗レポートの前に分析してみたい。マツダによれば、どうやらデミオDの価格はアクアやフィットHVを相当意識したモノになるようだ。アクアより若干リーズナブルなフィットHVと同じくらいになるかもしれない。気になるのが実用燃費で、短い試乗ながら大雑把な燃費のイメージは掴めた。相当良い。
ハイブリッド勢と良い勝負なのが、流れの良い郊外路や高速道路の巡航といった「渋滞や信号待ちの無い道路状況」。数字だと22~24km/Lで、こういった使い方であればレギュラーガソリンより20円程度安価な軽油を使う分、ハイブリッド車よりリーズナブルになる。
対照的にハイブリッド車より悪そうなのは、東京都内に代表される街中の渋滞。エアコンを使わない時期で10%落ちの18km/L程度。エアコン使うと20%落ちの16km/Lくらいになってしまう。ただ、ガソリンより10%以上安い軽油を使うメリットがある。通年だと燃料価格はイーブンか?
ハイスピードレンジはハイブリッド車より得意で、峠道や高速道路の追い越し車線を気持ちよく走れば、ハイブリッド車より優位な燃費になる。道具として使って引き分け。走るのが好きな人だとデミオDの方に魅力を感じるかもしれません。私はスピード出さないけれど、デミオDに一票を入れたい。
アクセルを踏んだ時のチカラ強さ感は「素晴らしい!」の一言
さて試乗だ。6速MT車と6速AT車から選べるが、ドチラであってもアクセル踏んだ途端に「おお!」と思うことだろう。とにかくチカラ強い。そらそうだ。6速AT車の最大トルクは25.5kgmで、2.5リッターのガソリンエンジン車と同等。一方、車重は1130kgと軽い。もちろん最高出力105馬力からして、アクセル全開で高回転まで引っ張った時の絶対的な加速性能としちゃ普通。けれど街中で普通に走っている時にアクセルを踏んだ時のチカラ強さ感ときたら「素晴らしい!」としか表現出来ない。ハイブリッドも加速性能は良いけれど、一段とステキである。
エンジン振動は全く気にならない。むしろ個性の無いモーターと違い「バランスのよい物体」がキレイに回っている感じ。アクセルの踏み加減でエンジン音や”振動の質”も変化していく。6速MT車だと一段とエンジンフィールを楽しめる。クルマ好きならぜひ6速MT車に乗って頂きたい。
ハンドリングはECOタイヤを履いているため格段スポーティというワケじゃなかった。ここまで気持ちよく走ってくれるのだから少しタイヤ性能を上げ、スポーティな味付けにしてみたい。そうそう。アクアには装備されない自動ブレーキも用意されているようだ。装備類は正式発表を楽しみにしておきます。
正式発表された新型デミオのスペックはこちらから
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