陽気なおばけたちのコンサートへようこそ! 『おばけのコンサート』

星空のきれいな夜、森の中の古い一軒家で得意のハーモニカを気ままに吹き出す小さな白いおばけ。その「フォンファー フーファン」という愉快なメロディーに引き寄せられ、木のおばけが訪ねてきて「バイオリンがとくいなんだ」。ハーモニカの音色に加わったバイオリンの「キューキコ、ホーホー キューキコ ホーホー」という響き。2人で踊りながら楽器を奏でていたら、今度はオーボエが得意なみずのおばけがやってきました。陽気なセッションに魅かれて川から急いでやってきたのでしょうか。体の中で魚が泳いだままですよ! 「プッポーフォン プッポーフォン」とオーボエを吹くみずのおばけの体の中では、魚まで躍っています。

「トントン!」というノックの音と共に、次々登場する音楽好きなおばけたち。ギターやほねたたきのパーカッション、ハープまで加わって、ミニオーケストラの完成です。陽気なおばけたちのコンサートへようこそ! 『おばけのコンサート』は、 体いっぱいに演奏の喜びを表したおばけたちにつられて読む側も体を動かしたくなる、とびきり楽しい絵本です。

 

個性的な擬音語がいっぱいのにぎやかな演奏

絵本『おばけのコンサート』より

陽気なおばけたちのにぎやかなコンサート

次々出てくる個性的な擬音語は、初めて読むときにはスラスラ読めないほど、バラエティ豊か。音の高低や硬軟を巧みに表現しています。そんなありきたりでない擬音語が、小さな子どもは大好き! きっとうまくまねできないながらも、一生懸命口に出して楽しむことでしょう。絵本の中のにぎやかな演奏模様と、読む方のにぎやかさも加わって、オーケストラはどんどんにぎやかに!? 演奏の舞台である家まで踊り出し、気づけば家の周りには森の動物たちも集結! たくさんの仲間たちの心が音楽を通して1つになり、体全体に楽しさを携えて踊るページを迎えるころには、読み手の子どもの心の高まりもクライマックスを迎えることでしょう。


楽しい遊びのクライマックスの後に、愉快なオチ

ところが、楽しいパーティーはクライマックスを迎えたと思いきや、お話には愉快なオチが待っています。森の動物たちも木々も踊り出すほど楽しませることができた演奏を終え、充実感たっぷりのおばけたちのもとに、再び「トントン!」のノックの音。あれれ!? そのお客さんの姿を見て、おばけたちはみんな、三々五々に逃げ出しました!

お話の展開は素朴ですが、細部まで丁寧に描き込まれたおばけや動物たちの表情や動き、躍動感に満ちた場面展開は、繰り返し読みたくなる魅力を携えています。おばけの存在がよく分からない小さな子から、夏の園行事のきもだめし大会にドキドキしている子まで、愉快な西洋風おばけたちのファンになってしまうかも!?
 

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