いじめ問題・対策/いじめ予防

LINEでのトラブル・いじめを防ぐために

スマートフォンや携帯の無料アプリケーションであるLINEは、いまや子供の生活に浸透したインフラとなりつつあります。そして普及度が高まるにつれ、LINEにまつわるトラブル、いじめも増加の傾向にあります。しかし「LINEいじめ」と言っても根本的には、いじめの場所がLINEに移っただけなので、日ごろから「いじめ」について親子でコミュニケーションをとることが大切です。

小野田 真里子

執筆者:小野田 真里子

いじめ問題・対策ガイド

LINEの普及度が高まるにつれLINEいじめが増加

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子供と時間の使い方について話し合いましょう

スマートフォンや携帯電話の無料アプリケーションであるLINEの全利用者の13.9%が12~9歳といわれています。

LINEが子供の生活に浸透したインフラとなりつつありますが、普及度が高まるのと比例して「LINEいじめ」が増えているのが現状です。

 

2013年から現在に至るまでのLINEいじめで事件が発生した内容は、主に「うざい」などの書き込みや、服を脱がせた写真の閲覧、LINE上でのコミュニケーショントラブルから暴力事件に至ると言ったものが目立ちます。具体的には、以下の通りです。
  • 2013年 3月(奈良):中1女子の自殺。同級生は女子生徒が読めないようにLINEのグループを設定。「うざい」と書き込まれるなど、いじめを受けていたとみられている
  • 2013年 6月(広島):LINE上のやりとりに腹を立てた少女が、知人らと共謀して友人(16)を殺害。少女と被害者の口論はLINEで50人ほどのグループが閲覧。逮捕されたものの中には少女とは面識がなかったものがいた
  • 2013年 7月(山形):中学生の野球部員が男子生徒の服を脱がせて写真を撮り、LINEを使って部内に写真を広めた
  • 2013年 8月(広島):男子高校生(19)の殺害未遂で16~7歳の少年4人が逮捕。4人のうち1人がLINEメッセージを被害者に無視されたことがきっかけ
  • 2013年 8月(茨城):女子高校生の上半身裸の画像が友人によってLINEに投稿され、さらに他校の生徒らに閲覧された
  • 2014年 2月(広島):男子高校生(16)が2月末日に自宅で自殺。野球部内で練習についてLINEで詰問されるなどのトラブルがあった。

 LINEいじめの本質

「LINEいじめ」といっても、LINE特有のいじめがあるわけではありません。強いてあげるなら「既読スルー」がきっかけとなることが多いということです。LINEで相手にメッセージを送り、送られた側がそれを読むと「既読」と表示されます。子供たちの間では、「既読」と出ているのに返事がすぐにこないと「無視された」ことになり、そこからいじめに発展するケースが増えているのです。

この既読スルーがこわくて24時間スマートフォンを手放せない子が増え、健康を害したり、成績が落ちるなどの例が全国で問題となっています。そのため、愛知県刈谷市のように2014年4月から市内の全小中学校で夜9時以降、スマートフォンを子供からとりあげるよう学校とPTAに要請する措置に動いたところもあります。

しかし、この問題はLINEという無料アプリを使って、結局は学校の人間関係に24時間支配されているだけの話であって、LINEがなくなったから解決する話ではありません。そもそもの学校での人間関係に問題があるからいじめに発展するわけです。また、スマートフォンの使い方の問題でもあると思います。従って、学校で「いじめはいけない」というメッセージを出し、子供たちにいじめ防止の指導を行うこと、家庭ではスマートフォンの使い方や友達という人間関係について、親子でよくコミュニケーションをとることが大切です。

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