テクノポップ/アーティストインタヴュー

旅に出たくなるQUIET VILLAGE(5ページ目)

1997年からYMOのコピーバンド・イベントにも参加し、異彩を放っていたQUIET VILLAGE。TECHNO4POPや大貫妙子カヴァー集への参加を経て、8月6日に旅に出たくなる<フュージョン>作品『THE DAYS』を発表。リーダーの八田裕之さんに登場頂きます。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ロッキンフュージョン

ガイド:
「GO AHEAD」は、テクノフュージョンというよりもロッキンフュージョンですかね。フュージョン自体がジャズとロックの融合的意味合いがありますから、よりロック寄りのフュージョンにするにはロック的なコード進行に重点を置かれたと考えていいのでしょうか?

八田:
はい。いわゆるジミヘンコードを使って、出だしはガーンといきました。ただそれだけだとらしくないので、ちょっとキャッチーなコード進行も織り交ぜています。僕は元々フュージョンでもジャズ寄りのものよりは、ロック寄りのものをよく聴いていて。あと、CHARさんもインストの曲があってかっこいいなぁ、と。

ガイド:
ちなみにロック寄りのフュージョンで好きなアーティスト、曲などあれば、教えてください。ロックの人ですが、Jeff Beckもそちらに入るんですかね?

八田:
quietvillagelive

QUIET VILLAGEライヴ

ロック寄りというかラテンですが松岡直也さんもよく聴きました。「Sunspot Dance」って曲なんかはラテンロックフュージョンですね。Jeff Beckもそう捉えられるアルバムありますよね。『Wired』とか『Blow by Blow』あたり。後者に入っている「Scatterbrain」など、QVではやりませんが、別のセッションライヴとかで演奏したものです。

一般的にフュージョン系はジャズ寄りのものが多いですが、どうも自分には敷居が高いというか、要は演奏も難しいので、ちょっと避けてたかもしれません。とはいってもジャズも出来ないとなぁ、と思って30歳を過ぎて初めてギターを習いに行きました。今回アルバムの推薦コメントも書いてくださったのですが、布川俊樹さんです。相当勉強になりました。正直、理論的なことってロクに知らずにやっていたわけで。今回アルバムを作れたのも理論がある程度わかっているということも大きいです。なので、曲によってはそこそこジャズ的なアプローチも紛れていますよ。

 

季節感にはリズムアレンジ

ガイド:
「東風」ではなく「南風」。タイトル通り、夏と海を感じます。僕のイメージの中で、高中正義さんに引っ張られ過ぎなのかもしれませんが、フュージョン自体に夏というイメージがあります。特にインストでは歌詞もありませんから、フュージョンの季節感というのはどのように表現されるのですか?

八田:
そんなに深くは考えてないです。気持ちいいコード進行があって、これ使おうとか、今度はマイナー系の曲にしようか、とかその程度から始めます。あとはテンポ感でしょうか。メジャー系で軽快な感じにすれば夏っぽくなりますし、季節感という意味で特に大事なのはリズムアレンジでしょうか。

みどりの窓口

ガイド:
「Green Window」は、JRのみどりの窓口ですね(笑)。ちょっとAOR的な感じもしますね。先ほど、ロックとフュージョンの話でしたが、AORとフュージョンというのも「歌」の位置づけの違いはありますが、血がつながっているのでは?

八田:
曲を作ったときは、実はサンタナをイメージしていたんですよ。もっと粘っこいギターで。今回の録音はギターの歪みは少し弱めにしたので、AOR的になったのかもしれません。いずれにせよ、インストでもやっぱり歌っているような、口ずさめるようなメロディーがいいと思うんです。繋がっていますよね。

 

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