――大倉さんは9月からナイロン100℃の公演(『社長吸血記』)も始まりますが、劇団公演に参加している時と『殺風景』(シアターコクーン)のようなプロデュース公演に出演している時では現場での居方に何か違いはありますか?
大倉
えっと……違いは……ナイロンでは誰にも期待されていないんですが(池田さん、イヤイヤとツッコむ)、外の公演に出させて頂くと色んな俳優さんから芝居について相談されたりして……それが凄く新鮮です。(スタッフさん含め爆笑)。
――ジョンソン&ジャクソンでは主宰という立場です。
大倉
あの、もう本当の事を言ってしまうと、僕、こういうのしかやりたくないんです。そんなに大勢の人に支持されない事も皆が好きなテイストじゃない事も分かってるんですが、自分はこういう芝居をやりたくて仕方がない。
――池田さんはプロデュース公演や客演で本当に大勢の演出家とお仕事をなさってますよね。野田秀樹さん、松尾スズキさん、いのうえひでのりさん、デヴィッド・ルヴォーさんetc……。まさに演劇界のレジェンドだと思うのですが、特に印象に残っている演出家ってどなたでしょう?
池田
いやいや、何を(笑)。僕はね、本当に運が良かったというか出会いに恵まれたというか、良い演出家とばかりお仕事させて頂いて来たんですね。だから1番印象に残っているのはこの人、みたいな感覚も実はないんです。その都度出会うべき方と出会って同じ現場に関わらせて頂いてきた、みたいな。最初が鴻上(尚史)さん(=第三舞台)で、木野花さん、つかこうへいさん、松尾スズキさん、宮藤官九郎さん……うん、本当に恵まれていますよね。
今回のブルー&スカイ君の演出も面白いですよ。「え、そこ今そんなに拘るの?」ってところにエラく拘ったりとか……ね。で、彼の大切にしている空気をちゃんと感じ取りながら、壊す所、鮮やかにしていく所は意識して提案するようにしています。
――お稽古場でのブルー&スカイさんのフラットな感じのテンションが面白かったです。
大倉
この前ブルー&スカイと2人でも話したんですけど、彼は全体よりその瞬間のニュアンスに拘りたいタイプで、お客さんに伝わりづらいかな?って所があってもつい自分が面白いと感じる方に走る傾向もあるんですよね。なのでその辺りは本番に向かって微調整していければと。
池田
そうそう、でもブルー君は自分が演者としてやってる時はちゃんとテンション高かったりもするんだよね。で、それがめちゃめちゃ面白かったりする(笑)。
大倉
今日も一部座長芝居がありましたよね(笑)。
素敵な?オフの過ごし方
――お二人共お忙しいと思いますが、オフの日はどう過ごされてますか?
池田
夜は海外ドラマを観てたりしますよ。「キリング」とか「ブレイキング・バッド」とかね。
大倉
え、暇なんですか?
池田
そういう事じゃないんだよ! 海外ドラマで色々インプットするんだよ!色んな事件が起きてシーズンも新しくなって大変なんだよ! ……で、大倉は何してるの?
大倉
まず、海外ドラマ的なものは一切観ないですね。休みの日……何してるんだろう。何もしないでいい日なんてあんまりないしなあ。
池田
何だよ、忙しぶっちゃってん!
大倉
いや、そういう事じゃないんですよ……まあ、夕方から時間が出来たらどこかお店に行ってお酒でも飲んで……。
池田
また悪ぶっちゃってん!
大倉
悪ぶってないですよ! 普通じゃないですか! むしろ他に何するんですか!
池田
ゴルフでもやってみれば?
大倉
絶対嫌ですよ。何で休みの日まで成志さんに色々文句言われなくちゃいけないんですか。(全員爆笑)
――ありがとうございます(笑)。では最後に、『窓に映るエレジー』にかけるお二人の思いとメッセージをお願いします。
池田
『窓に映るエレジー』はある意味異質というか、ちょっと変わったタイプのお芝居だと思うんですね。今、有名な人が沢山出ている舞台や、逆に小劇場で公演を打つ若手の劇団には足を運ぶ方も増えてきていますが、こういうオトナ達が何だかワカラナイものを一生懸命やる、みたいな作品もなかなか珍しくて面白いんじゃないかと思います。客席でにやにや、クスクス……肩の力を抜いたモードで楽しんで頂ければ嬉しいですね。
大倉
自信作が出来ました。これは相当イイですよ。役者さんもいいですし、ツイッターとかで評判をチェックしてから考えよう……なんてぼやぼやしてたら大変な事になりますよ。まごまごしてたら劇場に入れなくなりますから。『大人の新感線』より面白いんじゃないかな、位の気持ちでやりますよ。
舞台のみならず映像等様々なジャンルで活躍している大倉孝二さんと池田成志さん。『窓に映るエレジー』のお稽古終了後にお話を伺いました。言葉を選びながらご自分のリズムで話す大倉さんとそこに絶妙なツッコミを入れつつ、締めるところはガッチリ締める池田さんのバランスがとても素敵で既に面白かったです。
感動巨編、ラブコメディ、冒険活劇、不条理劇……演劇には本当に色々なタイプの作品があります。その中でナンセンスコメディという、ある種一般的ではないジャンルに挑む「ジョンソン&ジャクソン」。間違いなく”腕”のあるオトナの俳優陣が渋谷でどんな世界を見せてくれるのか……注目したいと思います。
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ジョンソン&ジャクソン 『窓に映るエレジー』
ジョンソン&ジャクソン 『窓に映るエレジー』
2014年7月24日(木)~8月6日(水) CBGKシブゲキ!!
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