たったひとりで作り上げた珠玉のコレクター
東京国立近代美術館(竹橋):現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより
冒頭のページに掲げた作品マーク ・ クイン 《ミニチュアのヴィーナス》や、杉本博司《最後の晩餐》をはじめ、マーク・ロスコやグルスキー、 ウォーホルなど、現代美術の珠玉の作品を収集し、家に飾って楽しんでいる台湾のコレクター、ピエール・チェン氏。
この展覧会は彼や彼の家族が創立したヤゲオ財団が所有する現代美術の中核(ハードコア)の作品を集め、さまざまなキーワードを用いながら展示するというものです。
また、意欲的な試みとして、美術作品についての美的な価値だけでなく、経済的な価値についても考えるきっかけを、鑑賞者に多く投げかけています。
ギャラリーと異なり、作品に値札がついていない美術館は、絵を見るときに「価値」について考える機会があまりありません。けれども、この展覧会に関しては、コレクターになりきって市場評価額を予想し、50億円分の作品を購入するアトラクションが容易されていたりと、かなり大胆に美術とお金の関係に切り込んでいます。よくわからない、と思われてことが多い現代美術ですが、もしかしたらこのアプローチのほうが、とっつきやすい方も多いかも!?
展覧会タイトルが示す通り「宝」について考えさせてくれる、興味深い展覧会です。
■DATA 国立近代美術館(竹橋):現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより
展覧会名称:現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより
会場:東京国立近代美術館
会期:2014年6月20日(金)~8月24日(日)
開館時間: 10:00~17:00(金曜日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日: 月曜日、7月22日(日)
※7月21日(月・祝)は開館
Web: http://www.momat.go.jp
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