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2014年7月のオススメ展覧会・美術展(2ページ目)

日本全国の2014年7月のオススメ展覧会・美術展を紹介。国立新美術館、オルセー美術館展 印象派の誕生-描くことの自由-、泉屋博古館 分館、没後50年 回顧展 板谷波山 光を包む美しきやきもの、東京国立近代美術館、現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより、森アーツセンターギャラリー、特別展 ガウディ×井上雄彦 ‐シンクロする創造の源泉‐、札幌国際芸術祭2014を紹介します。

浦島 茂世

執筆者:浦島 茂世

美術館ガイド

いつまでも新しい、陶芸の革命家
泉屋博古館 分館(六本木):没後50年 回顧展 板谷波山 —光を包む美しきやきもの

明治後期から昭和中期にかけて活動した日本の陶芸家、板谷波山。彼はあらゆる面で陶芸に新風を吹き込み、日本の近代陶芸を大きく躍進させました。

葆光彩磁孔雀尾文様花瓶 板谷波山 大正3年頃(c.1914) 茨城県陶芸美術館

葆光彩磁孔雀尾文様花瓶 板谷波山 大正3年頃(c.1914) 茨城県陶芸美術館


たとえば《葆光彩磁(ほこうさいじ)孔雀尾文様花瓶》の文様。これは、アール・ヌーヴォーの意匠を研究し、陶芸に取り入れたもの。優雅な曲線と淡い色合いが美しい!板谷は得意の彫刻技術で陶磁器に浮き彫りをほどこしたり、さらに「葆光彩磁」という、つや消しの技術を独自に編み出すなど、それまでだれもやってこなかった技法を編み出していきました。

葆光彩磁葡萄唐草文花瓶 板谷波山 大正4年頃(c.1915) 泉屋博古館分館

葆光彩磁葡萄唐草文花瓶 板谷波山 大正4年頃(c.1915) 泉屋博古館分館

《葆光彩磁葡萄唐草文花瓶》もその技法が凝らされた傑作の一つ。鮮やかな色をつけた花瓶に、透明ながらもマットな釉薬をほどこし、落ち着きのある風格を身につけています。作品をよく見てみると、葡萄の実をつけた唐草文様が薄肉彫りであらわされ、つや消しの白地の部分が、まるで内側から発光しているかのように見えます。

この展覧会は彼の没後50年を記念して開催されたもの。どのように作品を作っていったのかを丹念に辿っています。

■DATA 泉屋博古館 分館(六本木):没後50年 回顧展 板谷波山 —光を包む美しきやきもの
展覧会名称:没後50年 回顧展 板谷波山 —光を包む美しきやきもの
会場:泉屋博古館 分館
会期:2014年6月14日(土) ~8月24日(日)
開館時間: 10:00~16:30
※入館は閉館の30分前まで
休館日: 月曜日
Web: http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/

次のページでは東京国立近代美術館(竹橋):現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションよりを紹介します。
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