土地活用のノウハウ/入居者ニーズとマーケティング

事業としての賃貸住宅経営と、今後の市場動向(2ページ目)

世の中には多種多様な事業があり、その業態も様々です。例えば、飲食店であれば、お客様に対して料理を提供しその対価として料金を頂きます。美容室であれば、カットやカラーの技術を提供し料金を頂くことになります。そして、賃貸住宅経営は、入居者に建物を貸し、その対価として家賃を頂くという非常にシンプルなシステムの事業です。賃貸住宅経営という事業の特徴や、その他の事業との共通点について解説します。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

今後の賃貸住宅市場の動向について

はっきりと言えるのは、今後は少子高齢化と人口減少のトレンドが続き、長期的に見て賃貸住宅経営を取り巻く環境はますます厳しくなるということです。
更に、新規の賃貸住宅が次々と供給されている現状を考えれば、需要と供給のバランスの崩壊により賃料は下落トレンドに突入すると予想されます。

そのような状況の中、オーナーさんに賃貸管理の在り方の見直しが急務となっています。
今まで通りの受け身の管理を続けてしまえば、競争が激化して行く市場では淘汰されて行くことは明らかです。
修繕ひとつを取っても、行き当たりばったりの修繕ではなく、長期的な修繕計画に基づいた先手を打ったリフォームが必要になるのです。

なお、今後、東京オリンピック開催までに不動産価格が大きく変動することが予想されます。
次世代に賃貸住宅を引き継ぐ方がいない、ご自身の将来的な気力・体力・判断力を考えると、このまま賃貸住宅経営を続ける自信がないというような方は、高い値で売却できる時期に不動産を現金化してしまうことも選択肢の一つです。
反対に、しっかりとトレンドをつかみ、入居者ニーズを捉えた経営を続ける自信がある方であれば、リノベーションや、建て替えにチャレンジするのも良いでしょう。

正確な情報収集によりしっかりと時流を掴むこと

これからは、オーナーさん自身がアンテナを高く張り、正確に時流を掴む努力が必要になります。
グローバル化されている日本の経済は、アメリカ、EU、中国、ASEANなど、世界経済の影響を大きく受けることになります。

国内の情勢だけでなく、世界の政治、経済、為替の動きにも目を光らせなければなりません。
また、関東で起こると言われている大地震、原発の動向などの予測しがたい要因もあり、これらが複雑に絡み合い、賃貸住宅経営の環境に大きな影響を与えています。
マクロ的な経済から始まり、個別の入居者の動向に至るまで、幅広い情報収集力が必要になってくるでしょう。
アベノミクスが今後どのような影響を与えるのか

日本の実質GDP推移

政権交代以降円安傾向が続く

ドル円為替レートの推移


短期的には日本経済は回復トレンドにあると予測されています。
賃貸住宅経営を続けるにせよ、止めるにせよ、景気回復の恩恵を受ける為には、正確な情報収集によりしっかりと時流を掴むことが大切なのです。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます