ドイツ/ニュルンベルク

ニュルンベルクの観光(2ページ目)

バイエルン地方第二の都市、ニュルンベルク。ドイツの3大クリスマスマーケットのひとつが開かれることでも有名なこの都市は、実は見どころがたっぷりある街。時間があれば、マーケットの開かれる街の中心地以外もじっくり訪れてみてはいかがでしょう。

執筆者:原 貴子


ナチスのはじまりと終わりを見届けた街、ニュルンベルク

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ニュルンベルク裁判で使われた600号陪審法廷

ニュルンベルクはナチスの最盛期に党大会が開かれたこともあり、ミュンヘンやベルリンなどと同じように、ナチスが党の象徴として非常に重要視していた街のひとつ。その街で、第二次世界大戦後にナチスの幹部たちが裁かれたことは、なんとも皮肉です(ニュルンベルク裁判)。

ニュルンベルクには現在もこの裁判所が残っており、実際に使われた法廷を公開しています。法廷には小さなモニターが設置されており、被告人席、裁判官の席、証言台などの項目を押すと、当時の映像が流れて同じ部屋で行われた裁判の様子を伝えるなど、シンプルな中に魅せる工夫が施されています。また、法廷以外にも、裁判のバックグラウンドや経過、その後の影響などをさまざまな視点から紹介した展示の数々もあり、こちらも興味深い内容です。

<DATA>
Memorium Nürnberger Prozesse
住所:Bärenschanzstraße 72 90429 Nürnberg
営業時間:火曜以外10:00~18:00(最終入場17時)
休館日:火曜、12月24日、25日、31日
入場料:5ユーロ

未完成に終わったナチスの巨大施設コングレスハレ

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コングレスハレの内側。比較的整っている外側と比較すると、完成まではまだ時間が必要だったことがわかる。ユダヤ人も作業に駆り出された

ナチスの象徴的な街のひとつだったニュルンベルクには、盛大に党大会を行う予定だった未完成の施設、「コングレスハレ」があります。古代ローマのコロシアムをモデルにしたこの施設が、現在では帝国党大会会場文書センター(Dokumentationszentrum Reichsparteitagsgelaende)として公開されています。

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ナチスの建物の枠組を残しつつも、イメージを払拭するような斬新な入り口

貴重な資料の数々をはじめ写真や映像を駆使した展示は、ニュルンベルクという都市がなぜナチスの象徴的な街に選ばれ、どのような役割を果たしたのかなど、この都市とナチスの関係にもフォーカスしつつ、その恐ろしい歴史の始まりから終わりまでをつぶさに紹介しています。ナチスがいかに巧みに民衆を惹き付けて勢力を伸ばしたかということを客観的に紹介しつつも、彼らを支持したのが確かに国民であったことなどを包み隠さず伝えている点を考えても、ドイツという国の猛省がよく表れた展示です。ちなみに、この5万人を収容予定だったこの巨大コロシアム風施設だけでなく、膨大なナチス関連施設が建設される予定だったこのエリアは、現在は美しい湖に面したのどかな場所になっていますので、見学後に散歩してみるのもいいかもしれません。

<DATA>
■Dokumentationszentrum Reichsparteitagsgelaende(帝国党大会会場文書センター)
住所:Bayernstrasse 110, 90478 Nürnberg
営業時間:月~金曜9:00~18:00、土・日曜10:00~18:00(最終入場はともに17時)
休館日:12月24日、25日、31日
入場料:5ユーロ

素朴な街並みのなかに歴史のつまった街ニュルンベルク。クリスマスマーケットのみに集約されがちですが、実はとても見どころの多い街ですので、興味にあわせてその他のスポットもぜひ訪れてみてはいかがでしょう。
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