ナポリの守護聖人サン・ジェンナーロとは誰か?
枢機卿クレシェンツォ・セーペによるナポリ大聖堂でのサン・ジェンナーロの血の融解の儀式(FlickrよりPaolo Magni撮影)
ホセ・デ・リベーラ《窯から無傷ででてくるサン・ジェンナーロ》(1646年、ナポリ大聖堂内サン・ジェンナーロの礼拝堂の右祭壇画部分)
聖人札に描かれたサン・ジェンナーロ、背後には噴火中のヴェスヴィオ火山が
そんなサン・ジェンナーロにまつわるナポリ市内の観光スポットには、いったいどんなところがあるのでしょうか。
大聖堂内のサン・ジェンナーロの礼拝堂と付属博物館
ナポリ大聖堂内のサン・ジェンナーロの礼拝堂の主祭壇、中央のブロンズ像と左手前の着衣の銀製像はサン・ジェンナーロ (c)Ewa Kawamura
一方、大聖堂の正面玄関右手には、「サン・ジェンナーロの宝物館」もあり、銀製の聖人像の数々、ナポリ派バロック絵画のコレクションのほか、大聖堂の聖具室(sagrestia)への入場がここからできます。
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■Duomo/Reale cappella del tesoro di San Gennaro(大聖堂内のサン・ジェンナーロの礼拝堂)
見学時間:8:30~13:30と14:30~20:00(月~土、ただし日曜の午後は16:30分~19:30)
住所: Via Duomo, 147, 80138 Napoli
TEL:+39 081 449065
■Museo del Tesoro del San Gennaro(サン・ジェンナーロの宝物館)
見学時間:9:00~17:00(水曜を除く毎日営業)
料金:5ユーロ
住所: Via Duomo, 149, 80138 Napoli
TEL:+39 081 294980
サン・ジェンナーロのカタコンベ(地下墓地)
サン・ジェンナーロのカタコンベの内部 (c)Ewa Kawamura
カタコンベとは、初期キリスト教時代の地下墓地のことで、町の城壁外に設けられていました。「サン・ジェンナーロのカタコンベ」も、旧市街の中心から離れて、カポディモンテの丘へ至る坂道の途中にある「戴冠聖母の大聖堂(Basilica dell'Incoronata Madre del Buon Consiglio)」の裏手(チケット売り場は、この大聖堂の左手)にあります。ナポリ特有の黄色い凝灰岩トゥーフォを掘ってつくられた洞窟状のカタコンベには、随所に紀元後2世紀ごろから数世紀にわたって描かれたフレスコ画が残っています。
サン・ジェンナーロの遺体が、このカタコンベに埋葬されたのは、死後から一世紀ほど後の4世紀。しかし831年に生誕地のべネヴェントへ移してしまったので、今ここに残っているのは、遺体のないサン・ジェンナーロの墓穴跡と、5世紀にフレスコで描かれた最古の肖像画です。見学後は、入場した地点(丘側)に戻っても、旧市街のサニタ地区へ徒歩で行ける出口(丘の下)へ抜けても、どちらでも可能です。
その出口は、「貧民のためのサン・ジェンナーロ病院(Ospedale di San Gennaro dei Poveri)」の敷地と隣接していて、ゴシック期の建築である「城壁外のサン・ジェンナーロ大聖堂(Basilica di San Gennaro fuori le mura)」に通じています。ただしサニタ地区は、貧しい住宅街のある危険エリアなので、細心の注意が必要ですが、同チケットで入場できるもう一つのカタコンベ(Catacombe di San Gaudioso)への、徒歩でのアクセスに便利です。
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■Catacombe di San Gennaro(サン・ジェンナーロのカタコンベ)
見学時間:10:00~17:00(月~土)、10:00~13:00(日、祝)、毎時間おきに出るガイドツアーにての見学
料金:8ユーロ(サン・ガウディオーゾのカタコンベの入場券込み)
住所:Via Capodimonte, 13, 80136 Napoli
TEL:+39 081 744 3714
次のページでは、ナポリのバロック時代を飾ったサン・ジェンナーロ関連モニュメント3件と、現代アーティストのサン・ジェンナーロ作品がみれるホテルを紹介します。