流動性の供給には短期向き商品も必要
ETFを含め、投資信託は中・長期で資産形成を行う金融商品ですが、中には短期運用向き、言い換えれば「投機向き」とおよそ資産形成からかけ離れている商品も設定されています。ただ、市場に流動性を供給するという観点からは投機向きの商品が一概に悪いとは言い切れません。言葉は悪いかもしれませんが、必要悪なのかもしれません。たとえばETF。売買代金ランキングでは、常に「NEXTFUNDS日経平均レバレッジ上場投信」がトップ。しかも、1ヵ月間の総売買代金の6割前後を1銘柄で占めているのですから、ETF業界に取ってみれば日経平均レバレッジ上場投信様々という状況なのです。
そのETF。これまでは日経平均株価、またはTOPIX(東証株価指数)のレバレッジ2倍型(ブル型)はありましたが、2014年5月29日には「TOPIXベア2倍上場投信」が上場しました。ベア2倍ですから、TOPIXの前日比変動率のマイナス2倍の収益が期待できるETFです。今後、日経平均株価の前日比変動率のマイナス2倍の収益が期待できる「ベア2倍」も上場するかもしれません。
上昇・下落、いずれも指数の対象となる指数の2倍の収益が期待できる商品が揃いつつあるわけですから、ますます短期的な売買に走る投資家が増えるかもしれません。TOPIXベア2倍上場投信、上場して日はまだ浅いですが、売買は以外と活況を呈しているようです。