捨て問の見極め方
ただ、試験問題に捨て問ですよと印がついているわけではありません。捨て問の識別が必要です。時間配分を適正にするための手段と言う捨て問の趣旨から考えると、以下のことが言えると思います。まず、形式面からアプローチしてみましょう。問題を解くのに長い時間を要する問題は捨て問候補です。例えば、問題文が長い判例評釈のような問題がこれにあたります。これは後回しにして構わないと思います。とりあえず、そこで時間をかけるよりも、ドッグイヤーでもして、飛ばしてしまいましょう。
次は、内容面からのアプローチです。勉強を全くしていない分野からの問題も捨て問候補です。例えば、民法における譲渡担保など特別な担保の問題などです。入っていない知識はどう考えても出てきません。既存の知識から類推すると解ける場合がありますが、時間がかかり、正答率も低くなります。あまり時間をかけるべきではありません。一見してわからない問題は飛ばすべきです。
さらに、これも内容面からのアプローチなのですが、勉強した分野からの問題ではあるが、過去問のレベルを大きく逸脱している問題です。これは、過去問をやりつくさないとわかりませんが、毎年のように出ています。単なる知識問題もあり、また、応用力を問う問題もあり、これらは過去問や普段の勉強だけでは対処できません。となると、明らかに正答率が低くなります。やはり、あまり時間をかけるべきではありません。必要以上に悩んだら飛ばしてしまいましょう。
そんなに飛ばして大丈夫かと思う人もいるかもしれません。しかし、理論上は、3問に1問を捨て問にしても合格するのです。
似て非なる捨て科目
捨て問と捨て科目は違います。よく、会社法は捨てるという人がいます。これは捨て問と違って推奨できません。なぜなら、試験委員は、各科目の調整の観点から、極端に難しい問題や易しい問題だけを並べることはできないからです。つまり、捨て科目の中には、確かに難しい問題があるのですが、易しい問題もあるのです。その易しい問題を捨ててしまうのは得策ではありません。
誰しも苦手科目はあります。しかし、全部苦手というのではなく、中には理解できる分野というものがあります。そこはしっかりと勉強して、なるべく捨て科目の範囲を削るようにしましょう。
捨て問の最終選別
さて、飛ばした問題の中で、本当に捨てる問題と解く問題をわけていきます。つまり、捨て問の最終選別です。当然ですが、解けそうな問題を優先的に解いていくべきです。
例えば、飛ばす問題としてあげた判例評釈は時間があれば解ける易しい問題の可能性が高いのです。飛ばした問題のグループの中では、正答率の高い問題と言え、優先的に解くべきです。ただ、時間のかかる問題形式なので、時間を決めて解くべきでしょう。
逆に、解けそうにない問題は完全に捨ててしまいましょう。記述などの配点の高い問題に時間を振り分けるべきです。繰り返しになりますが、3問に1問を捨て問にしても合格できるということを頭に入れて割り切ることが大切だと思います。