住宅設計・間取り/実例にみる間取りプラン

中庭のある家を建てる(2ページ目)

家を建てる際、「敷地が狭くまわりに建物があるので採光や通風がとれない」また「今は敷地の周囲に建物がなくても、今後建つかもしれない」など、光と風は周囲環境に影響を受けやすいものです。そんな時、採光や通風はもちろん、視覚も気にせずにとり入れることができるのが中庭です。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド


中庭の考え方

開口部の多い家は視覚的に外と内の境が弱くなり、一体感が出ます。が、あまり広さは感じません。そこでデッキを設けて室内から延長したスペースとすると、急に広く感じます。

中庭にも同じようなことがいえます。建物の広さを分断して室内の延長領域として取り込むと、単純に、囲まれたスペースだけが広く感じます。そしてそのスペースはとても落ち着きを感じるのです。

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中庭を中心にどのスペースからも出入が可能である。


平屋建てなので天井の高さを変え、閉鎖(室内)から開放(中庭)、開放から閉鎖と空間にメリハリをつけています。こうすることでより立体的な空間の豊かさと広さを実感できます。中央に中庭があることで風通しはもちろん子どもの遊び場になり、さらにはキッチンに近いことで気軽にバーベキューも楽しめます。普段は物干しとして利用するまさに多目的なスペースです。

拡大します。

断面図



設計 : (株)佐川旭建築研究所


ガイド佐川旭のアドバイス

かつて日本には外と内をつなぐ中間領域として土間や縁側などがありました。土間や縁側はつなぐスペースづくりで、囲むスペースづくりの中庭とは手法が違います。外と内とを直接つないだ方が空間を広く感じさせるような気がしますが、意外にも囲んだ方がスペースは広く感じます。敷地が狭い広いにかかわらず中庭は暮らしに何らかの変化を与えてくれることは間違いありません。
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