BMW/BMWの車種情報・試乗レビュー

ストレート6も復活、“運転”好きの憧れBMW M3&M4(4ページ目)

BMWにおいてスポーツ性を最も強調したMモデル。その中核であり、クルマ“運転”好きの憧れのまとが5世代目へと進化。新ストレート6エンジンを積んだライドフィールはノーマルとは全く別物です。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

真骨頂はそのフットワークの素晴らしさ

BMW M4クーぺ

パワーを左右後輪間で自在に配分するアクティブMディファレンシャルを採用。M3、M4ともに0-100km/h加速は4.1秒

M4の真骨頂は、もちろん、そのフットワークの素晴らしさにある。高速道路を降り、ポルトガルの山岳地帯を走った。ハンドリングとシャシーのモードセットは、もちろん、スポーツだ。

重めのステアリングフィールに固められたアシという街中でのイメージは、走しりこめばこむほどに、変化する。クルマの動きが蕩けて次第に乗り手の身体と馴染んでくるようだ。変速的なコーナーが連続するワインディングロードでも、その動きはきわめてリズミカル。コーナー途中の凸凹でも接地感はまるで失われず、特にリアサスの粘りが、そうとうに頼もしいので、がんがん踏んでいける。

電動パワステのチューニングも申し分のないものだった。とにかく、マグネシウム骨格のステアリングホイールは剛性感もたっぷりで、動きが軽やかであるにも関わらず、リニアリティに優れている。

アルガルヴェのテクニカルサーキットでも試乗したが、とにかく、シャシーはコントローラブルで電子制御のクォリティが“ファン方向”に素晴らしく高い。全くたれないブレーキ(オプションのカーボンセラミック)にもいたく感動した。

パワーフィールは申し分なし、のエンジンも、サウンドだけはやや官能性に欠ける。残念ながら、旧型用自然吸気V8のようには響かない。高回転域でのクリアさも物足りなかった。

3ペダルのMTに乗ると、エンジンのざらっとしたフィールが特に強調されてしまうから、回す楽しみも半減する。もっとも、新開発のマニュアルギアボックスそのものはシフトフィールも素晴らしく、未だ、操る楽しみを十分、提供してくれるものではあるけれど……。
BMW M3

ファインチューニングを実現するため、DTM(ドイツ・ツーリング・カー選手権)のワークスドライバーもテストに参加したという

セダンのM3にも、一般道そしてサーキットで試乗した。重量もさほど変わらないし、性能は全く同じだと思っていい。ただ、Aピラーの角度とダッシュボードの高さがそれぞれ違う(ベースモデルの基本的な差でもある)ため、前方視界のイメージが少し異なる。M3の方が街や高速、サーキットでも、ドライブしやすいと思えたが、好みの問題だろう。
BMW M3

ハイグロス仕上げのMデュアル・ツイン・エキゾースト・テールパイプや、リア・ディフューザーを装着。大きく張り出したリアホイールアーチなど力強いスタイルに

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