3.行かせたいと思える学校を必ず複数校みつけておきましょう
志望校面談をおこなっているとよく「このレベルよりも上の学校でないと行かせる価値がない」とおっしゃる保護者の方に出会います。もちろん偏差値というものは、学校の価値を決めるひとつの尺度だとは思いますが、それは絶対不変のものではありません。お子様が中学受験を終えて入学した中学・高校に通っている6年間の間にも変動します。入学時はものすごく難しかった学校も、卒業時にはレベルが随分下がっていたなんてことは、決して珍しいことではありません。各学校にはそれぞれ個性があります。近年では英語教育に力を入れて、海外留学制度を充実化している学校も増えてきました。こうした充実化はトップ校よりもむしろ二番手校・三番手校の方が盛んな場合もあります。
偏差値以外にも、学校にさまざまな価値を見いだすことは可能です。そうした価値を見いだせて初めて、その学校に大切なお子さまを通わせる意義も、辛い中学受験を乗り越えさせる意義も見えてくると思います。なによりお子様のモチベーションは、目標があるのとないのとでは全く違うものです。
中学受験は、誰しもが必ず通らなければならない道、というわけでは決してありません。たくさんある選択肢のひとつにすぎないのです。それが原因で親子関係が悪くなったり、お子さまが勉強嫌いになったりしては、本末転倒です。将来を見据えて、のめり込みすぎず、健全な中学受験を、是非目指して下さい。