席数は5席、平日限定の特製牛丼も
イートインコーナーは今半の肉が購入できる精肉店の右側にあります。席数はわずか5席。この日は1人で開店時間と予想した11時30分ちょっと前に到着です。すでに4人の方が実食中……。これまで気づいていませんでしたが、開店は百貨店と同じ午前10時、とのこと。残り1席にうまいこと滑り込みました。同コーナーは開店も早く、通し営業なのでランチはあまり時間を気にせず伺うことができますね。メニューは5種類。「特製牛丼」(1001円)、「すき焼き弁当」(1620円)、「ステーキ丼」(1620円)、「特上すき焼き弁当」(2700円)、「特上ステーキ丼」(2700円)です。この日のオーダーは、他の4種類とは違い平日のみ提供している「特製牛丼」(1001円)にします。
こちらの連載では、あくまで普通のビジネスマンが普段使いすることを前提にしています。そんなことから、ランチの価格について2000円以内、という1つの目安にしています。人形町今半の本店にも伺ったことがありますが、ちょっとこのレンジを越えてしまいますので、今回はお手軽に利用できる同コーナーを選んでいます。
で、運ばれてきた特製牛丼。濃い目の色が目を引く牛肉、その上に置かれた青味が映えます。お新香、カツオ出汁が効いた味噌汁も上品ですね。柔らかい牛肉を白飯とともに口の中に運びます。みりんや砂糖のほんのりした甘さもいいですね。大衆的な牛丼店のそれとは明らかに違いを感じます。ちなみに米は、山形県産のコシヒカリを使用しています。
会計は精肉販売の場所、イートインコーナーともOKです。1001円かぁ……と財布から1円玉を探していたら、「1000円になります」と店員から声かけが……だったらそう書けば……なんて思う反面、ちょっとニヤけてしまいますね。ごちそうさまです。
雨の日は10%OFF、さらにリーズナブルに
別日に今度は“ぜひ行ってみたい”と頼まれていた友人と雨の中、2人で11時に伺います。ランチには早い時間なので余裕で座れると思っていったのですが、残り2席……セーフです。同コーナーで見かけるのは、やはり年配の買い物客が中心ですが、ビジネスマンの方が1人でやってきてサクっと食べて退店するような光景も目にします。この日のオーダーは、私が「ステーキ丼」(1620円)、友人がやはり基本!?の「すき焼き弁当」(1620円)を頼みます。ステーキ丼は、牛のモモ肉でなかなかの厚切り。嬉しいビジュアルです。付け合せは白ネギとじめじ、白飯が進む味付けです。一方のすき焼き弁当、以前わたしもいただいたことがありますが、今半の印が押されたはんぺんが印象的です。有名百貨店の精肉販売店の隣、つまり信頼できる食材を、老舗店の技でリーズナブルにいただく……そういう店ですね。
同店のテーブル上に敷かれた紙のシートには、日本の牛食文化の伝道師、5人のエピソードが書かれています。その5人の中には、“牛食い”が庶民の晴れの食事となるきっかけをつくった人物として、同店の先々代の店主・高岡元一氏の名前も……。割り下で煮込む関東の牛鍋、味を調えながら作る関西のすき焼き、と厳密には違いがあったしますが、同店の尽力も寄与するかたちで、現在は総じて“すき焼き”として広く日本中に親しまれています。
帰り際、会計担当の方から「今日は雨の日なので10%割引で、それぞれ1458円となります」とのお言葉……雨の日に思い出したら、ぜひ同店へ。
あの“今半”の牛料理を、気軽な価格で楽しめるランチはいかがでしょうか?
■人形町今半 新宿高島屋 イートインコーナー
・住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2 新宿タカシマヤ B1F
・TEL:03-5361-1352
・営業時間:平日10:00~19:30
(金曜・土曜は20時まで ※高島屋の閉店時間の30分前まで)
・定休日:不定休(高島屋に準ずる)
・地図:Yahoo! 地図情報