イギリスらしさあふれる、ビールのお供
イギリス人のビールのお供、カリカリの豚皮スナック「ポーククラックリング」。いろいろなブランドがあります
豚皮を愛するイギリス人
突然ですが、イギリス人はカリッとした豚の皮が大好きです。ローストポークなら、皮付きが断然人気。お肉はジューシーに柔らかく、しかし皮はカリッと仕上げるのが理想のローストポークとされています。このカリカリな皮部分は、ポーククラックリング(またはポークスクラッチングス)と呼ばれ、ここの絶妙な焼き加減が、料理の腕の見せ所なのです。そして、このポーククラックリングは、それだけで一つの軽食メニューにもなっています。世界各国に似たような豚皮スナックは数あれど、イギリス版は皮下脂肪つきの皮を使います。旨味たっぷりの脂と共にローストされたカリカリジューシーな豚皮に、軽く塩やスパイスをまぶしただけのシンプルな一品です。アルコール、特にビールとの相性は抜群。愛好者は多く、イギリスの肉屋さんでは、このために「脂つきの豚皮」だけが売っているほどなのです。
パブの定番スナック
軽食としてのポーククラックリングの発祥は19世紀頃と言われ、おもに労働者階級の人々の間で、安価な栄養源として広まったようです。それはやがて袋入りスナックとなり、今でも「ビールのお供」として親しまれています。クリスプス(=ポテトチップス)とともに、イギリスのパブにはほとんど必ず置いてある、定番中の定番スナックです。ただし、イギリスの食べ物らしく(?)残念ながら当たり外れが大きいのも事実。中にはカリカリすぎて歯が折れそうな程に固かったり、添加物がてんこ盛りで舌がしびれるようなものもあったりで、どれを買っても美味しい!という訳ではないのです。
イチオシの極上ブランドはこれ!
そんな玉石混淆のポーククラックリングの中、格段のクオリティーで抜きん出ているのが「Awfully Posh」(オウフリー・ポッシュ)というブランドのもの。直訳すると「甚だしく高級な」という意味で、その名の通り、まさに「極上の」とか「究極の」といった形容詞が似合う、グルメ御用達の高級志向なクラックリングなのです。誕生は2009年と若いブランドながら、2011年には「イギリス食品界のオスカー」とも言われる「グッド・フード・アワーズ(Good Food Awards)」で、ポーク・クラックリングとしては初めて金賞(1つ星)を獲得、翌2012年には高級スーパーマーケット「ウェイトローズ(Waitrose)」の全国200店舗での販売がスタートしました。
材料は豚皮と塩だけ、という潔さ。屋外飼育でのびのび育った高品質の豚のみを使い、味付けには、高級塩として名高いウェールズ地方アングルシー産の天然塩が使われています。歯ごたえ、味付け、そして脂の加減……全てが絶妙! 袋入りスナックでありながら、限りなく自家製に近いクオリティーを再現しているのです。
どこで買えるの?
フレイバーはシンプルな塩味のAnglesey Sea Salt(左)と激辛チリ味Scorchingly Hot Chilli(右)の二種類。どちらもビールが進む絶妙な味わいです
ただ、高級店とはいえ特に敷居が高いわけでもなく、旅行者でも気軽に入れますし、気になるお値段のほうも、手のひらサイズの一袋(40グラム)が約90ペンス(約150円)前後と、他のブランドと大差はありません。
2014年5月現在、取扱店の多くはロンドンにありますが、全国に約200店舗を展開しているウェイトローズの他、全国に9店舗あるオーガニックスーパー「ホール・フーズ・マーケット」など、ロンドン以外の都市でも店頭で買えるようになってきました。
次のイギリス旅行の際には、是非試してみてくださいね!
以上、お手軽なのに極上クオリティー、イギリスらしさあふれる一品のご紹介でした。
<DATA>
■Awfully Posh
フレイバー:Anglesey Sea Salt(塩味)、Scorchingly Hot Chilli(激辛チリ味)
価格:一袋(40グラム)90ペンス前後
<主な取扱店>
- ウェイトローズ(Waitrose)…イギリス国内に約200店舗。店舗検索
- ホール・フーズ・マーケット(Whole Foods Market)…イギリス国内に9店舗。参考記事>>>「近所の家賃が上がる?! スゴイお店が開店!」
- ハロッズ(Harrods) 食品フロア…最寄り駅 ナイツブリッジ(Knightsbridge)
- ハーヴィー・ニコルス(Harvey Nichols) 食品フロア …国内に2店舗(ロンドン、マンチェスター)