一貫した視点と優しい人柄、若い世代に気軽に声をかけたデザイナー
「名作椅子を創る」というテーマで(僕が)指導している学校の授業でもお世話になった。
世に言う「名作椅子」を原寸図面おこしから実際に一人一脚製作する、この間一年という長い時間と内容。そのちょうど第5作目として長さんの「低座椅子」を制作した。
愛車をご自分で運転して数度学校に、そして青山で展示会へもいらっしゃった。長さんは若い世代との会話をとても愉しんでいた。
長さんの代表作「低座椅子」は、1960年にデザインされ以後ロングセラーを記録している日本の名作椅子のひとつ。芸大を卒業後坂倉準三建築研究所で先代松本幸四郎(歌舞伎)自邸の設計にあたり正子夫人の要望をもとにデザインされた椅子が原型。
松本幸四郎(白鴎)自邸 (引用:84歳 現役のデザイナー 長大作/p52/株 ラトルズ)
また学生たちと製作の様子は【七転八起、「低座椅子」をつくる】で。
とにかく、一貫したモノづくりの視点と優しい人柄、そして若い世代にいつも気軽に声をかけながらデザインの話をされていた長さん。
昨年の渡辺力さんに続き、日本デザイン界のパイオニア的デザイナーの炎がまたひとつ消えた。
長大作さんのご冥福をお祈りする。
……………………………………………………………………………………………
■ 今回の関連リンク
→ 【石川尚の気になるデザイン】バックナンバー
☆不定期配信、暮らしのデザイン情報・デザインコラムをお送りしています!・・・『ファニチャーメルマガ』、登録(無料)はこちらから!
★ガイドのエピソードが満載のインタビューはこちらから!
☆掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。
Copyright(c) イシカワデザイン事務所 (ISHIKAWA DESIGN OFFICE) All rights reserved