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七転八倒、「低座椅子」をつくる!

【石川尚の『美品散歩』#17】散歩がてらにブラリ立ち寄る場所がある。散文・スナップで気になるモノ・ココロを綴る。88歳現役デザイナー長大作の「低座椅子」に挑んだ学生たちの作品発表会。長氏本人もご登場です!

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

石川尚のファニチャーイスト的ココロ・『美品散歩』#17

シリーズ授業『名作椅子を創る』


筆者が指導しているデザイン学校の学生が作品展示会「Jyuu Nin to Iro」を開催した。

学生の展示会というと学園祭や卒業制作展などあるが、日頃の指導とその制作成果として作品が仕上がっての展示会は楽しみなもの、そして教師冥利につきる瞬間でもある。

筆者がここ数年継続指導しているシリーズ授業『名作椅子を創る』……世の中に数多くある名作と言われた椅子、その椅子を実際に自分たちの手で作ってみようという授業なのだが、一人一脚つくるという結構ハードな内容。

今回の名作椅子は、88歳現役のデザイナー長大作氏の代表作「低座椅子」である。


日本人の椅子、「低座椅子」D:長大作、製作販売:天童木工。右上の写真は、長大作氏が参加した最初の授業風景写真。

授業では、実物の椅子のひもときから始まり、その椅子のバックボーンとなる時代背景やデザインアプローチなどをリサーチ。そして、実際の椅子を図面化して実物の椅子をつくる。大体1年間かけての授業なのだ。

講釈はこれくらいにして実際の展示会風景をご紹介しよう。

思い思いの表情に仕上げる「低座椅子」が条件


場所は、青山外苑前。学生たちが自ら交渉し決めたギャラリー:H.A.C GALLERY。
階段を下りて地下の会場へ入るとすぐ、1/6のミニチュア椅子が目に飛び込んでくる。


(左)「展示会:JYUUNIN TOIRO  」ギャラリー入口。(右)可愛らしいミニチュア低座椅子がズラリ。

「名作椅子を創る」プロジェクトの基本は、オリジナルの再現、仕上げは思い思いの表情に仕上げるという条件なので実物サイズを作る前に、張り地や仕上げのイメージ確認をするためのミニチュア椅子である。
ミニチュア椅子の前に今回テーマになった本物の「低座椅子」を展示している。



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