介護支援専門員(ケアマネジャー)/ケアマネージャー(介護支援専門員)とは

ケアマネージャーの給与を上げるためには(3ページ目)

薄給と言われているケアマネージャーの給与について考察します。ケアマネージャーはアセスメントにモニタリング、利用者宅訪問に勉強会・研修会、新たな資格取得のための勉強など、自己研さんに励み、日々多忙な毎日を送っています。人を支える緊張感の中、低賃金と言われる待遇の中で、介護保険制度ケアマネージャーや従事者たちの社会的使命によって支えられているといっても過言ではないでしょう。

執筆者:鈴木 康修

引き続き、ケアマネージャーの給与を上げるために必要なことを紹介します。

愚痴だけにならないように注意する
「これだけ働いたのだから月収30万円は欲しい」
このような意見はよく聞かれます。しかし、これだけでは個人的な絶対評価に過ぎず、根拠や客観性に欠けます。自分の給与がいくらが妥当なのかを客観的なデータをもとに試算し、その積算根拠を示すことができれば説得力が増します。例えば、居宅介護支援費収入以外に地域の自治会などに出向いて行う介護保険の説明や、地域包括支援センターと協働して行う介護者教室の支援など、プライスレスな業務も訴えるべきです。

ケアマネージャーの資質向上と今後の在り方に関する検討会でも議論に出ましたが、「働きが悪いケアマネージャーがいる」と十把一絡げにされることがありますので、これについては、第三者による効果測定を導入しても良いと思います。ただし、ケアマネージャーは資格の更新など費用面での負担がありますので、これは、行政の対応としたいところです。ケアマネージャーの質が担保されれば、介護報酬を上げることの根拠に一つになり得ます。

私見

私も現役のケアマネージャーとして、介護保険制度の歪みや問題点を感じています。地域の同志と行政に意見書を提出したこともありました。介護も含めた福祉業界の低賃金や諸々の問題は決して他人ごとではなく、ケアマネージャーだけの問題ではありません。私たち従事者が、それぞれできることをもちより、より良い制度の改善を目指して、ソーシャルアクションを起こしていかなければならないでしょう。

最後に、給与問題は単に行政機関や法人に文句を言っても解決できないくらい深刻です。制度の中心にまでメスを入れていかなければ改善は難しいでしょう。そうした精力的な活動を続けるとき、時に忘れがちなのは介護保険制度の対象者、つまり主役です。高齢者や障害者が主役であることをどんな時でも忘れないよう、自分自身も戒めていきたいと思います。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます