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レツゴー三匹・じゅん追悼とトリオ漫才の歩み(2ページ目)

さる5月8日、トリオ漫才で一世を風靡したレツゴー三匹のじゅんこと、逢坂じゅんさん68が歳の若さでこの世を去りました。若い方は漫才師としての活躍をご覧になっていないと思いますが、トリオ漫才という特殊なスタイルで、爆笑を巻き起こした素晴らしい人でした。そのすごさを伝える映像はほとんど残っていませんが、トリオ漫才という形態の説明とともに、じゅんさんの魅力を伝えていきます。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

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漫画トリオを引き継ぐ形で

漫画トリオの活躍は解散する1968年まで続きましたが、彼らに対抗できるトリオ漫才は現れませんでした。しかし、解散した漫画トリオの穴を埋めるかのように登場したのが“レツゴー三匹”でした。リーダーは三波春夫……ではなくレツゴー正児。じゅんはボケ役でアイドル的人気も獲得し、歌のうまさを発揮した長作ともに、正統派のトリオ漫才を引き継ぎました。

漫才というのはネタの面白さはもちろんですが、演者の間合いが重要になってきます。2人で合わせるのも大変なところを、3人でやるのだから至難の業です。レッツゴー三匹には喋り中心のネタもあれば、3人で動きまわり、暴れまわるネタもありました。しかも、最近は5、6分でまとめたものが中心ですが、70年代の漫才は10分から15分とかなりの超大作。定期的に新しいものを作っていくことは、今よりも大変な作業だったと思われます。

自由奔放にも見える巧みな演技

3人の中でボケ役を担当していたレツゴーじゅんは、ネタの進行を担当していた正児、長作に対して、自由気ままにフザケまわっているかのように見えました。もちろん、そんな筈はないんですが(笑)。天性の明るさと演技の巧みさが混ざり合ったことで生まれた、愛すべきキャラクターでした。

レツゴー三匹自体は最後まで解散という宣言はしなかったものの、昭和から平成に変わった頃から、3人で漫才をする機会はめっきりと減っていました。それに代わって増えてきたテレビや舞台での俳優業では、逢坂じゅんという名前でコミカルなものからシリアスなものまで、達者な演技を披露してきました。晩年に高視聴率ドラマ2本へ出演したことで、その姿は多くの人々の記憶に焼き付けられたと信じています。

ただ、活動休止期間が長かったことで、後継のトリオ漫才が育っていないことは残念です。現在活躍中のトリオ漫才というと、我が家のローテーション漫才と安田大サーカスくらいしか思い浮かびません。2組とも好きなグループではあるものの、正統派のトリオ漫才というにはちょっと(苦笑)。

トリオコントが盛り上がっているだけに、ニッチを狙って漫才をやってみようという3人組に出てきて欲しいものです。
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