保健師/保健師の学校について

宮城・山形・福島の学校

これから保健師を目指そうとしている皆さんに送る、保健師になるための大学・短大・保健師学校ガイドです。地域別に分けてご案内します。表では最近まで保健師教育をしていたものの、廃止や大学院化に変更した学校も含んでいます。*情報は2015度以降の入学生に適用予定のものです。

西内 義雄

執筆者:西内 義雄

保健師ガイド

宮城県の学校

公立 宮城大学看護学部看護学科(大和町)
私立 東北福祉大学健康科学部保健看護学科(仙台市)
私立 東北文化学園大学医療福祉学部看護学科(仙台市)

上記のリストを見て旧帝国大学のひとつ、東北大学の名がないことを不思議に思うかもしれませんが、北海道大学と同様、同大学も保健師教育は大学院化になりました。そのため、現在県内で高卒後に保健師への道が開かれている学校は3校。学校の場所は仙台市とそのお隣の大和町にあります。

保健師教育は3校とも選択制を採用しています。人数制限は東北文化学園大学を除いて実施していて、宮城大学と東北福祉大学とでは取得できる人数にはかなり差があります。また、宮城大学に関してはまだ選抜試験の日程も決まっていないとのことなので、入試を受ける予定があれば、最新の情報を電話で確認することをおすすめします。

山形県の学校

国立 山形大学医学部看護学科(山形市)
公立 山形県立保健医療大学看護学科(山形市)

山形県には私立はなく、国立と公立(県立)の2校から選ぶことになります。保健師教育体制はいずれも選択制です。ただ、2校合わせても定員が113人ということで、保健師コースに進むことのできる人数は、山形大学は制限なし、山形県立大学もほぼ8割近い設定になっています。この数値であれば、将来保健師を希望する学生のほぼ全てが資格取得ができるのではと思われます。

福島県の学校

公立 福島県立医科大学看護学部(福島市)

東日本大震災以降、福島県を取り巻く状況は非常に厳しいものがあります。とくに原発絡みの避難、離職問題は常に保健行政にもつきまとい、県外からの応援を受けながら何とか進めている状況といわざるを得ません。そういう背景があるからでしょうか、唯一保健師の資格取得ができる福島県立医科大学では、選択制ではなく、従来通りの統合カリキュラムを採用しています。

また、今も県内で活動している保健師が苦労していることのひとつに、放射線の体への影響をどう説明するかがあります。おそらく、今後何年もつきまとう問題だと思われます。

この地域で保健師を目指す方へ

東北地方では同じ県でも海側と山側ではかなり文化が異なります。一部の都市を除き、面積は広いものの人口は少なく、高齢者の多いところも多いので、自分がどういうところで働きたいのかを見据えながら、学校選びを考えてみてください。

福島県の項でも触れているように、東日本大震災の被災地を抱える県が多いため、保健師の業務もそれに合わせた考え方をする必要があります。たとえば太平洋側の沿岸、津波の影響を受けた自治体では、避難生活をしている人たち(とくに高齢者)の新たなコミュニティ作り。新たな町づくりのために保健行政が何ができるかを常に考えながらの仕事になるはずです。

もっと具体的にいうなら、町づくりは建設や土木だけが構想を練ればいいものではありません。そこに保健・医療・介護の視点が加わることでより住みやすさが追求できるわけで、保健師も新たな町づくりの一端を担うことを意識してください。

一方、福島県では放射線の影響が色濃く残る自治体がまだまだあります。いわき市などは双葉郡からの避難者が集中していまから、住民票を持たない住民(避難者)への保健サービスについても考える機会が増えるはずです。

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     定員の数字は学科定員→保健師コースに進める人数(目安)です



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