保健師コースは40人以内

佐賀大学は佐賀市内に2箇所のキャンパスがあり、看護学科(医学部)はJR佐賀駅バスセンターから佐賀市営バスで約20分の鍋島キャンパスとなります。ここは附属病院もあることから平日に朝はかなりの車が出入りしており、私が訪れた時間帯も、病院の駐車場は常に混雑。まさに佐賀県の医療の中核となる場所であることが分かります。

保健師コースは選択制で、40名以内を選抜する形です。その時期は3年進級前(2年時の2月)で、それまでの成績と面接、筆記試験(来年度以降は実施しない予定)で合否を決めています。他の多くの大学と同様、今年(2014年)が選択制となり初めての選考となりましたが、保健師コースを希望する学生は51人いたそうです。

選考の柱となったのは、やはりそれまでの成績です。それも何か特別な科目に注目したのではなく、一般教養から専門科目までトータルで判断しています。保健師教育を担当する有吉浩美教授はその理由を

「保健師はひとつのことしかできないではなく、オールラウンドな柔軟性が求められますので、選考も全ての科目を対象にしています」

と話していました。

実践に役立つ人材を育てるプログラム

保健師実習は佐賀県内全域が対象となります。また、学校保健や産業保健についても実習を行い、これまでにフィールドとなった実習施設20箇所のうち19箇所に卒業生が就職しています。つまり、どこに行っても先輩がいるというわけで、佐賀県内では大学を通じた繋がりがとても強いことがうかがえます。

講義は座学とグループワークを交えた形式を多く取り入れ、卒業して保健師になった先輩による、実践に役立つスキルなどの講義も行っています。これは、

「保健師は行政に産業に学校など幅広いジャンルで働いています。さらに同じ行政のなかにも県や市町(保健、障害、福祉)と分かれますし、産業なら企業や健診機関、学校だって小中高に養護学校もある。とても幅広いわけです。まずはそれを理解してもらうため、それぞれの職場で保健師が何をしているのかを論理的にきちっと話してもらっているわけです」(有吉教授)

との考えから行われていることです。

県外からの学生が多いのも特長

話は少し本題からそれますが、佐賀大学は他の国立大学と少し違い、他県の学生の割合が多いといいます。理由は九州の交通の要になっているからで、福岡や長崎、熊本、さらに鹿児島からも通学することが可能です。

ということは、九州各地に卒業生が散らばっていることになるわけで、これもある意味、佐賀大学ならではの特長です。ちなみに、過去5年間で保健師として就職した学生は55人とのこと。

これまでの5年間は統合教育だったので、定員60人×5年間で300人の卒業生がいると考えれば、保健師として就職した人の率はおよそ18%。大学としてはかなり多いと思われます(参考までに、平成25年度の看護系国立大学卒業者の保健師就職状況平均は定員の8%程度)。

有吉教授からのメッセージ

左から山本美由紀助教、古島大資助教、有吉浩美教授

左から山本美由紀助教、古島大資助教、有吉浩美教授

「学生には卒業後に組織人として活動できるよう、縦横の関係を大切にできる人材になってもらいたいと思っています。とくに保健師は外に出て報告・連絡・相談・確認がきちっとできないといけませんから、社会教育を講義のなかに取組んでいます。基本的 には、講義中のスマホは禁止ですし(講義で活用する場合もある)、飲んだり食べたりも認めません。ここはきちっとやっていきます。

また、保健師は広く浅く物事を掴むことから、図書館で新聞を読むことを勧めています。ネットではなく、ペーパーです。なぜかというとペーパーのほうが紙面全体を見て、今のトピックスを理解することができるからです。新聞記者の方に講義をお願いし、正しい情報の掴み方なども伝えてもらっています。

当然のことですが、学生にいろいろと求める限り、私たち教員も授業に遅れたり、予定をオーバーすることもいけないと伝えています。ここは厳しく、しっかりとやっていますし、これからも続けていき、看護師、助産師、保健師。どの職業になっても、よりよい就職先に行けるよう最大限の努力をしていきます」

(大学データ)
佐賀大学医学部看護学科地域看護学分野:有吉浩美教授/村久保雅孝准教授/古島大資助教/山本美由紀助教/杉本健太助教
定員:70人
保健師コース定員:40人以内
保健師コース最終選抜時期:3年進級前
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