保健師の結婚に潜む重大な問題とは

今、保健師を目指している女性の皆さんにとって、最大の関心事は就職できるかだと思います。何を考えるにしても、ここがクリアできなければ始まらないことはよく理解できます。けれど、就職先を決めるときに、もうひとつ、少しでもいいから考えてみて欲しいことがあります。何かというと「結婚」です。

結婚と仕事の両立は男性だけの話ではありません

結婚と仕事の両立は男性だけの話ではありません

なぜ就職も決まらぬうちからそんなことを言うのか? まったくもっておせっかいなのは重々承知しています。それでも書いてしまうのは、ある若手保健師さんから聞いた話がきっかけでした。

仮にAさんとしましょう。彼女は保健師になれるならどこでも行く! との意欲を持ち、地元から離れた人口2万人弱の町の保健師になりました。最初は地域に馴染めず、ホームシックにかかってしまいましたが、よき先輩たちに囲まれ、働いていくうちにどんどん「この町でずっと働いていきたい」と思うようになりました。

と、ここまではまさに理想的な保健師の就職話です。さらにAさんは、ここで働いているうちにある男性と知り合い、お付き合いが始まりました。そして、いつしか結婚を意識するようになったとき、重大な問題に直面することになったのです。

今の職場を辞めて付いて行きますか?

重大な問題。それは結婚相手が転勤のある仕事をしていたからです。結構頻繁に県内での異動があるらしく、結婚をする頃、次の異動がありそうだという話が出ていました。つまり、お付き合いしている今はともかく、その彼がどこに異動になるかで、Aさんの住まいも変える必要性が出てきたわけです。結婚はしたければ別居ではあまりに悲しすぎますからね……。しかし、彼が遠く離れた地域への勤務を命じられた場合、どうしたらいいのか? Aさんは仕事を辞めてついていくかどうかで悩むようになりました。

だって、仮に遠くの町に移ることになり、Aさんが転職を決意したとしても、そこでまた保健師として働ける保証なんて何もないのです。求人が少ない仕事であることはよく分かっているだけに、今の職場を辞めれば、再び保健師として働くことがかなり難しくなると感じていたわけです。

数ヵ月後、彼が命じられた勤務先は、Aさんの職場から車で1時間ほどの場所でした。これなら何とか通うことができるとホッとしたAさんですが、一時期は新婚早々旦那さんに単身赴任をお願いしようかと考えたと話していました。そのうえで
「先を考えると、今も不安でいっぱいですが、きっと誰と結婚しても悩みは尽きないと思うので、自分が納得できる相手を選ぶことにしました」
と明るく話してくれました。きっとこの心境になるまで相当悩んだのだろうなと思います。

地元意識と結婚問題

ちなみに、この話を知り合いの若手保健師たちにすると、地方、それも地元で就職した保健師たちから
「私も地元で働きたくて今の職場を選び、ずっと続けたいと思っています。結婚相手が遠くの人でも、なんとか折り合いをつけて今の職場に通える場所に住めないかと考えますね」
「地元から離れることを考えられないです。選択肢のなかに入っていない。いや、認めたくないのかもしれません」
「(結婚)相手を選ぶときは地元で働けることを条件に考えると思います。だって一生の仕事だよといわれて資格を取って働いているわけですから、どんなに好きな相手でも遠くで暮らす話が出たら冷めてしまうかも」

などの共感の声が多く出ました。これは私が思っている以上に地元意識、手に職の意識が強いのだなと感じた瞬間でした。一方、都市部で働いている若手保健師は地元意識がさほど強くなく、自分の再就職先をどう考えるかに重きをおいていた傾向を感じました。

さて、保健師と結婚問題、あなたはどう考えますか? 
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