山田孝之の代表作になりそうな『闇金ウシジマくん』
映画『闇金ウシジマくん Part2』は人気漫画のドラマ化から映画化へと広がりを見せ、ファンを拡大していった大ヒット作です。その人気の秘密は闇金業者なのに、アンチヒーローとして魅力的なウシジマくんの個性と物語の面白さ!闇社会を描いた作品は怖い物見たさの興味をそそられますよね。と言うわけで、今回は闇の世界を覗き見ることのできる映画をピックアップ。まずは『闇金ウシジマくん』『闇金ウシジマくん Part2』からご紹介しましょう!
『闇金ウシジマくん』(2012年度作品)
真鍋昌平の同名コミックの映画化。10日で5割(トゴ)、1日3割(ヒサン)というとんでもない金利と執拗な取り立てで恐れられている闇金業者の丑嶋(山田孝之)の元に借金をしにやってくる者たちの底辺を這いつくばるような人生を描く物語。
ドラマで好評を博した『闇金ウシジマくん』は映画版も人気。IT長者や大学生のイベントサークルなど、社会的事件をベースにしたであろうエピソードが興味深いです。ハングリー精神はけっこうですが、成功を掴むやり方を間違ったがために借金をせざるをえなくなる彼らの愚かさが痛い!
ウシジマくんの情け容赦ない取り立ては怖いけど、彼は闇金ルール通りに取り立てているだけで筋は通しているわけ。だから説得力があるのですね。
難を言えば出会い系カフェで客とデートして小金を稼ぐ女を演じる大島優子のパートはちょっと生ぬるかったなあ。アイドルだから大目に見た感じがあって、そこがちょっと残念……。
監督:山口雅俊
出演:山田孝之、大島優子、林遣都、崎本大海、やべきょうすけ、片瀬那奈、岡田義徳、ムロツヨシほか
『闇金ウシジマくんPart2』(2014年度作品)
暴走族、ヤンキー青年、ホスト、ホストの女などが繰り広げる借金地獄を描いた人気シリーズの第二弾。真面目に働いてお金を稼ぐ事をしようとしない人達がウシジマくんの餌食になっていく様を描きつつ、今回はウシジマくんのピンチも描いてスリルが倍増。
つまらないプライドにこだわる暴走族のヘッドのおかしさ、売れないホストの憐れやそんな彼に尽くす女性の一途さゆえの悲しみなど、様々な感情が渦巻いて見応えは前作以上!「この人たち本当に大丈夫か?」と思いつつ、でも一歩間違うと誰にだって起こりうる物語なのです。それだけに「こんな風に落ちたくない!とつくづく思ってしまいましたね。
ウシジマくんはあいかわらず残酷ですが、バカな債務者に制裁を与えているようで、怖いけどなぜかスカっとするのが不思議。アンチヒーロー映画として秀逸な作品と言えるでしょう。
監督:山口雅俊
出演: 山田孝之、綾野剛、菅田将暉、木南晴夏、門脇麦、高橋メアリージュン、中尾明慶、窪田正孝、バカリズム、大久保佳代子、キムラ緑子、マキタスポーツ、本仮屋ユイカ、光石研、柳楽優弥、崎本大海、やべきょうすけほか
(C)2014真鍋昌平・小学館/映画「闇金ウシジマくん2」製作委員会
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