切手収集/切手収集入門

切手の値段の決まり方(2ページ目)

いざ切手を入手しようと思って切手商の店頭を訪れると、すぐにカタログ評価額と実売価格の間には大きな開きがあることに気付くことでしょう。ここでは「裕仁立太子礼10銭」を例に上げて、カタログ評価額と運用の仕方について説明していきたいと思います。

板橋 祐己

執筆者:板橋 祐己

切手収集ガイド

「冠」の実勢価格

LHの冠

軽いヒンジ跡のある「冠」(参考価格10万円)

日本切手の記念切手としては最も高価とされる「冠」ですが、切手の保存状態によって大きく値段が異なります。今回の記事を書くにあたって、ある日本切手の専門店に聞いたところ、「状態にもよりますが、10万円出せば、まあまあの「冠」が買えます。下は5万円くらいからありますよ」とのことでした。つまり、パッと見は美しくても、よく見ると小さな欠陥のあるような「冠」がざっと10万円、もう少し大きな欠陥のある二級品で5万円くらいで買えるということです。 (2014年5月時点)

切手の状態の表記について

冠裏面

「冠」の裏面をピンセットで持ち上げて観察しているところ。

切手の状態は表と裏を見て、切手の品質・目打・刷色(発行当時の状態に近いか)・折り目やしわ・裏糊の状態などを総合的に判定した結果です。VFは極美品~美品、Fが美品~平均的な状態、Gは軽度の欠陥のあるものの扱いとなります。簡単にまとめると、以下の通りです。

VF:極美品~美品(一級品)。Very Fineの略。
F:美品(平均的な状態・一級品)。Fineの略。
G:軽度な欠陥(二級品)。Goodの略。
D:強い欠陥(三級品以下)。Defectなどの略。

ヒンジ跡の表記

ヒンジ跡付きの記念切手

ヒンジ跡のある記念切手。ここまで来ると、ヒンジ跡あり(HR)となる。

ヒンジ跡の有無や裏糊の状態については、次のような記号を使うのが一般的です。なお、切手用のヒンジについては、過去の記事で解説をしていますので、そちらをご覧ください。

NH:ヒンジ跡無し。つまり発行されたままの状態。Never-Hingedの略。
LH:軽いヒンジ跡あり。Lightly Hingedの略。
HR:ヒンジ跡あり。Hinge Remainingの略。
OG:裏糊あり。Original Gumの略。
NG:裏糊落ち。No Gumの略。

記号の定義や考え方は、オークションハウスや切手商ごとに微妙に異なる場合がありますので、特に高額の切手を買うときに疑問があれば、事前にお問い合わせしておくと良いと思います。
切手の状態表記の凡例

切手表記の凡例(川口スタンプ社のオークション誌より)

続いて、次のページでは、具体的にどんな切手を選びたいか考えてみたいと思います。
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