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4月の投資信託は日本株のベア型が好調

世界の主要株式市場の中では、ウクライナ情勢の当事者であるロシアを除けば突出して低迷が続いている日本株。日本株ファンドの運用成績も低迷していることから、投資信託への資金流入も細り気味なうえ、新規に設定された投資信託も少なかったようです。2014年4月の投資信託の状況を見てみることにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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日本株のベア型ファンドが好成績

日本株の月足が年初から4ヵ月連続陰線になったからか、2014年4月の投資信託の運用成績上位は、同年1月に続きレバレッジを活用したブル・ベア型ファンドのベア型が上位を独占しました。4月で2014年の3分の1(4ヵ月)が経過しましたが、その半分がベア型ファンドの運用成績が好調なのですから、個人投資家にとっては悩ましい状況が続いています。

純資産総額10億円以上、DC(確定拠出年金)、SMA(ラップ口座)を除く、2014年4月、1ヵ月間の騰落率ランクキングベスト10の内、5本が日本株のベア型ファンドというありさまです。残り5本は新興国株ファンドという状況でした。新興国株ファンドは、トルコ、アブダビの株式で運用される投資信託が好調でした。

4月の第1位は騰落率11.46%、楽天投信投資顧問が運用する「楽天日本株トリプル・ベア」です。第2位、第3位は騰落率11.44%のSBIアセットマネジメントが運用する「SBI日本株トリプル・ブルベアオープン(SBI日本株トリプル・ベア)」、楽天投信投資顧問の「楽天日本株トリプル・ベア2」です。ほぼ同名の楽天日本株トリプル・ベアが2本ランクインしているのは、第1位のファンドが2014年6月13日に満期償還になるためです。

ちなみに、月間の騰落率で二桁のプラスとなったのは、レバレッジ2.5倍以上の日本株ベア型ファンドだけになっています。

グロソブの資金流出にブレーキかかる

投資資金の流入額では、野村アセットマネジメントが運用する「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)」が993億円を集め2ヵ月振りのトップとなりました。4月1日に純資産総額でグローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)を抜きトップとなった、フィデリティ投信が運用する「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」の資金流入額は、第2位の627億円でした。

フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド同様、毎月の資金流入額でトップ5を継続している新光投信が運用する「新光US-REITオープン」は、4月28日にグローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)を抜き、純資産総額第2位となっています。

純資産総額で第3位になってしまった国際投信投資顧問が運用する「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」は、2014年1月に分配金を1万口当たり35円から20円に減額以降、投資資金の流出が加速し毎月400億円超の流出が続いていましたが、4月の流出は287億円と減少しました。1ヵ月だけで判断するのは難しいですが、資金流出にブレーキがかかりつつあるのかもしれません。

ブラジル・ボンド・オープンの資金流出加速

その他、投資資金の流出入額で目立ったのは、流入では新規設定の日本株ファンド、大和証券投資信託委託が設定した「ニッポン応援ファンドVol.5-ライジング・ジャパン」が442億円、東京海上アセットマネジメントが設定した「東京海上・米国優先リートファンド(為替プレミアム)」が361億円の資金を集めています。4月に限ったことではありませんが、新規設定時に1000億円、否500億円を上回るような多額の資金を集めるファンドは2014年に入ってからは1本もありません。

資金流出では、大和証券投資信託委託が運用する「ブラジル・ボンド・オープン」が2014年に入ってから月を追う毎に流出額を増やしているのが気になります。分配金の減額は2013年11月の決算期なのですが、同年1月=115億円、2月=127億円、3月=204億円、4月=284億円というように増えているのです。

月次レポートを見ると、1年間で分配金支払い後の分配対象額が532円も減少していることから、再度の分配金の減額を恐れた上での資金流出かもしれません。今後の運用状況をしっかり確認する必要がありそうです。

また、通貨選択型ファンドのブラジルレアルコースなど、ブラジルに関連する投資信託の資金流出も3月と比較して目立っているようです。
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