絵本/絵本関連情報

『ほんなんてだいきらい!』という子におすすめの絵本

お子さんの本嫌いでお困りの方に『ほんなんてだいきらい!』をご紹介します。ユーモアたっぷりのストーリーと個性豊かな登場人物が、本の楽しさ・面白さを伝えながら本嫌い脱出のヒントを示してくれる楽しい作品です。

執筆者:大橋 悦子

あたしは絶対本なんか読みません

「あたし」の本嫌いは並大抵ではありません。図書室の先生がどれほど熱意をもって読み聞かせをしても、本には見向きもしないばかりか、先生を冷めた目で見つめるばかりです。そんなあたしにとんでもない1週間がめぐってきました。読書週間です。何とか本を読ませようとする先生と、転校してでも本は読みたくないというあたしの、本をめぐる攻防が始まります。

本嫌い脱出のヒントあり? 『ほんなんてだいきらい!』

『ほんなんてだいきらい!』の表紙画像

本大好き先生vs本嫌いの女の子 その勝負の行方は?

図書室の先生の名前はミス・ブルックス。3度の飯より本が好きな熱血漢の先生です。先生はお気に入り絵本を読む時は着ぐるみを着用し、主人公になりきるほどの本好きです。『かいじゅうたちのいるところ』も『ぞうのババール』も『はらぺこあおむし』も怪獣や象や青虫になりきって本を読んでくれました。

それというのも「みんなにも自分と同じくらいワクワクしてほしいから」なのだそうです。でも、あたしに言わせると「先生は1人でワクワクしすぎ」ということになるのです。あたしってとてもクール、そしてやっぱり本が大嫌いなのですね。

そんな中迎える読書週間にミス・ブルックスは大張り切りです。クラスのみんなに本の魅力を伝えるべく、あの手この手で宿題を課していきます。絵本ガイドの私でさえ少々やり過ぎだと感じる彼女の手法は、1つ間違えると子どもたちへの押し付けになってしまい、本嫌いを加速させてしまうリスクをはらんでいます。

本嫌いの子のイメージ画像

無理強いしても本好きにはならないとわかってはいるのですが……

その様子にみなさんは「主人公がますます本嫌いになってしまうのでは?」と不安を感じるかもしれません。ところがひょんなことから、主人公が興味を持てる本に出会い、お話は読者の予想外の方向に進んでいきます。主人公と本の関係の変化に呼応してストーリーがスピーディに展開していくさまは、爽快でさえあります。

さて、主人公のあたしは読書が好きになったのでしょうか? それとも……? その答えはぜひこの絵本を読んで、お子さんと一緒にお確かめください。なぜなら、答えを確かめるべくこの絵本を読んでいくことが、本嫌いを脱出するチャンスになるかもしれないからです。ユーモアたっぷりのストーリーと個性豊かな登場人物が本の楽しさ・面白さを伝えながら、本嫌い脱出のヒント(※)を示してくれるお得な絵本を読まない手はありません。


【書籍DATA】
バーバラ・ボットナー:文 マイケル・エンバリー:絵 さんべりつこ:訳
価格:1404円
出版社:主婦の友社
推奨年齢:5歳くらいから
購入はこちらから 


※参考
本嫌い脱出のヒントをお探しの方には、<「ひざ読」で「絵本大好き!」への1歩をふみだそう>もお役に立ちます。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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