ラムネの湯でプチ湯治　長湯温泉「万象の湯」(3ページ目)

薬膳バイキング

食事は別棟のバイキングレストラン「天恵塾食堂」でどうぞ。野菜を中心にした30～50品目のなかに専門家によって監修された薬膳料理が3～5種類用意されています。

別注のオススメは「エノハの唐揚げ」。地元で捕れたヤマメです。注文後に水槽からすくい上げ揚げてくれるので新鮮そのもの。上品な香りがします。「エノハ」という呼び名は大分、宮崎、熊本の一部で使われているそうで「榎（エノキ）の葉」が川面をキラキラ流れるような様子にたとえられる民話が残っているそうです。情景が浮かぶような素敵な由来ですね。 

また、バイキングメニューのなかの「50倍名物カレー」も話題です。私は辛いものが得意なほうですが、この辛さにはまいりました。特に温泉で温まった後は汗が止まらなくなりますのでご注意ください。

湯治となれば1泊ではなく滞在をして静養をしたいもの。そのために素泊まり料金もありますし、宿泊棟には簡単な調理ができる炊事場が設えてあり、食堂もバイキング以外の軽めのうどんやそばで済ませられる「クワバタキッチン」があります。

そのワケは、多くリピーターに支えられているから

こんなにも特別な温泉に入って、野菜をお腹いっぱい食べて、1泊2食付きで9150円～。至れり尽くせりのサービスはありませんが、温泉という確かな価値がそこにはあります。

そして、この値段を可能にするのは、リピーターに支えられているから。「1人では泊まれない、1泊2食付きしか泊まれない」そんな現代の旅館スタイルと一線を画する現代版湯治スタイルは、ニッチな温泉ファンの集客を可能にし、ひいては地域の再生をも目指すものです。

長湯温泉は今では全国的に有名になりましたが、足繁く通う地元の人や県内の客人向けに「毎日入って、何度入っても1万5000円」という年間パスポートを発行し人気を得ています。「支える人があっての温泉。その恵みを少しだけ享受させてもらっている。」そんな感謝の念を抱かざるを得ない温泉宿です。ぜひ訪ねてみてください。

■大分・長湯温泉 長湯歴史温泉伝承館「万象の湯」
・住所：大分県竹田市直入町長湯3264-1
・ＴＥＬ：0974-75-3331
・料金：1泊2食付き 9150円（税込み）～
（注）詳しくは宿のホームページをご覧ください。
・地図：Yahoo!地図