噂なしで登場したiTunes Match
ガイドは3月20日付けの記事で、海外のiTunes Matchを簡単に紹介するなかで、日本では「実現する噂すらありません」と書きました。まさか1ヶ月後に、あっさりと利用できるようになるとは思ってもいませんでした……。iTunes Matchとは、iTunesにある楽曲をアップルのサーバーに保存するクラウドサービスです。インターネット上に保存することで、ネットにつながっていればいつでもどこでも、自分が保存した楽曲を聴けるようになるのです。
この記事では、iTunes Matchがどのようなサービスなのかを紹介した後で、実際に利用するための手順、そして体験したうえでの特徴を紹介します。
1ページ:iTunes Matchの概要
2ページ:iTunes Matchに登録する
3ページ:iTunes Matchを利用する
iTunes Matchの3つの特徴
iTunes Matchの特徴は大きく3つあります。(1)年間3,980円の有料サービス
一般的なクラウドサービスでは数GBは無料、容量追加は有料というところが多いのですが、iTunes Matchは25,000曲(iTunes Storeで扱っていない楽曲の保存数ですが、詳細は後述します)をインターネット上に保存する年間3,980円の有料サービスです。無料では利用できず、現時点では容量追加などのオプションもありません。
(2)iTunes Storeに同じ楽曲があれば、そのダウンロード権が無料で与えられる
これが一般のクラウドサービスと異なる最大の特徴です。レンタルCDなどから取り入れた曲でもiTunes Storeにある楽曲と一致(マッチング)すれば、今後はどの機器からでもiTunes Storeの品質で無料ダウンロードできるようになります。実質的に「iTunes Storeで買ったものと見なす」ことになります。これがMatch(マッチング)と呼ばれる所以であり、他のクラウドサービスにはない、アップルならではの強みです。
iTunes Storeで扱っている楽曲は256kbpsでコードされた音質です。かつてCDからiTunesに取り込むときの設定は128kbps(現在は初期設定で256kbps)なので、古い楽曲は音質を向上させることもできるのです。
そして、iTunes Storeにある楽曲と一致するものについては、iTunes Matchの保存容量である25,000曲には含まれません。
(3)iTunes Storeにない楽曲も、どこでもダウンロードできるようになる
iTunes Storeにない楽曲だけが、自分のコンピュータからアップルのサーバーにアップロードされます。そしてネットにつながっていれば、どこでもどの機器にもダウンロードできるようになります。ここでアップロードする曲数の上限が25,000曲なのです。
通常の楽曲以外にも、語学学習で使うようなCDに入っているナレーション、音声メモで録音したもの、さらに自作の曲などもアップロード、ダウンロードできます。
iTunes Storeにある楽曲かどうかで扱いが変わるのがiTunes Matchの特徴。iTunes Storeにある曲ならダウンロード権が手に入り、iTunes Storeにない曲も25,000曲まで保存できる
容量の関係でパソコンの楽曲全部を持ち運びできないiPhoneでも、聴きたいときにすぐにダウンロードできます。また、パソコンを買い替えたり故障したりしたときでも、バックアップとしてデータを復旧するのにも使えます。
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