福祉業界は新たな資格が生まれやすい?

資格商法のイメージ

資格商法のイメージ

通常、どの業界にもヒエラルキー(階層・階級)が存在します。社長や従業員といった上下関係もそうですが、医師、看護師、看護助手といった関係もあります。もちろん、資格に優劣があるという話ではありません。

病院を例にとれば、看護師は医師の指示のもとに処置を行っています。決して、看護師の指示のもとに医師が手術や薬を処方しているわけではありません。また、上司部下といった関係からも、そこにヒエラルキーがあると言えます。

福祉業界には数多くの資格が存在しています。国家資格のみならず、民間資格も多いので、一つ一つ覚えるのも至難の業ですが、なぜ資格が多いのか、その背景を考えてみましょう。例えば、医療系の資格を考えてみます。医師や薬剤師はもちろんのこと、診療放射線、臨床検査などは高度な専門性を持っています。

私が病院に勤めていた時も、各部署が業務を分担していて、その専門性が確立されていました。健康診断を受ける際に感じると思いますが、肺のレントゲンが終わったら胃のレントゲン(バリウム検査)、採血、心電図検査など、1人の医師がすべて行うわけではなく、それぞれに専門職がいます。それぞれの専門性が分かれているので、それに合わせ、資格も多いのだと思われます。

これに対し、高齢者介護を例にとると、介護・健康・住環境・レクリエーション・手話・心理・認知症・音楽・介護経営など、本当に広い範囲で資格があります。資格が増えてきた背景には、現場のニーズがあったということと、資格がビジネスになるといったことが考えられます。しかし、いくら多様なニーズがあるといっても、資格の数が上回っている感じもしますので、資格がビジネスになるのではないかと考えられます。

現場従事者の中には、閉塞感が強い介護業界から脱却したい、仕事の選択肢を増やしたい、収入を増やしたいといった切実な要望からスキルアップにつながっている側面があり、ダブル・トリプルライセンス所持者も珍しくありません。こうした向上心を逆手に取り、新たな資格を生み出したり、既存の資格を取得するために講座を受講させるなどの資格商法ビジネスに発展しているのではないかと考えています。

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では資格商法について説明します。