食育/安全・安心な食品の選び方

親として魚介類を安心して選びたい!水産物の表示(2ページ目)

農産物・水産物・畜産物といった生鮮食品は鮮度が命。日本は周囲を海に囲まれ一年中さまざまな水産資源に恵まれた国です。ただ店頭で選ぶとなると輸入物や外国産や養殖のものなどさまざまな物が並んでいます。たくさんの中から新鮮で安心安全な魚介類を賢く選びたいもの。水産物の表示の知識を分かりやすくお伝えします。

浜田 峰子

執筆者:浜田 峰子

食育ガイド

よく見て!まぎらわしい水産物の表示

■天然の魚介を食べたいのに表示がない!?
天然の旬の魚介を食べたい!そう思う人も多いのではないでしょうか?しかし、天然は「天然」と表示の義務がありません。つまり「養殖」と書いていないものは全て天然になります。 

■複数の場所で養殖された場合の原産地は?
最も養殖期間の長い場所(「主たる養殖場」といいます)が原産地として表示されています。養殖の場合には、天然仕上げ、天然風味など「天然」という表示はできません。

■国産の魚介を買いたいのに分かりづらい!?
外国産の場合、国の名前が明記されます。日本産の場合は「国産」とは表示の義務がありません。国産を積極的に選びたい消費者には、分かりづらい表示です。
また、例えばマグロのようなインド洋や太平洋で取れる魚は「産地=船籍(船の国籍)」となります。そのためインド洋だろうが大西洋であろうが、台湾船が漁獲すれば「台湾産」となります。つまり日本船が漁獲したものはどのエリアでも「国産」や「日本産」となり、産地の表示はされませんから注意が必要です。

■その魚介はどこで獲れたの?
船で獲る魚の場合、どこで獲った魚であっても船籍のある国が原産国になります。例えば、日本船が南太平洋でメバチマグロを漁獲した場合、商品のラベル表示は「太平洋 メバチマグロ」です。一方、台湾船が南太平洋で獲った場合は、「台湾産 メバチマグロ」となります。これではその魚が実際にどこで獲られたものかよく分からない表示ですね。

消費者庁によれば、原産国は世界税関機構(WCO)の協定に基づいて下記のように定められています。
「一の国又は地域の船舶により公海並びに本邦の排他的経済水域の海域及び外国の排他的経済水域の海域で採捕された水産物については、当該船舶が属する国が原産国である。」

【参考引用文献】
消費者庁 食品表示 「生鮮食品品質表示基準Q&A」

■え?お刺身なのに加工品?
魚介の加工品と聞いて何を思い浮かべますか?缶詰、乾物、かまぼこ…などを連想する人が多いでしょう。実は、一種類の刺身は「生鮮品」、二種類以上の刺身を盛り合わせにすると「加工品」になることをご存知でしょうか?(※ただし、二種類以上でも同種を盛り合わせると生鮮品。例:キハダマグロとメバチマグロの盛り合わせは、マグロという表示)

色々な種類の魚介の味を楽しめる刺身盛り合わせは、加工品です。加工品は、重量で製品の50%を占める原材料がない場合、原料原産地の表示義務がありませんから、刺身盛り合わせはほとんどの場合、表示義務がありません。

【参考引用文献】
東京都 生活文化局消費生活部 食品表示パンフレット「ご存知ですか?食品に必要な表示」

水産物の表示についてポイントを押さえてご紹介しました。スーパーや生鮮食品売場でしっかり表示を見て選ぶ事がいかに大切かということです。日本は豊富な水産資源に恵まれた国です。一年中さまざまな魚介が店頭に並んでいるからこそ、かしこく選んで鮮度がよくて安心安全な魚介をおいしく食べたいですね。ぜひお買い物の参考にしてみてください。

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