食育/食育アドバイス

だしを使った離乳食が、一生ものの味覚を育てる!(2ページ目)

子供の味覚は離乳食によって形成されることがわかっています。とくに日本の伝統食である「だし」の風味を生かした離乳食を食べさせることで、乳幼児期に「だし」の風味を覚えた子どもは、将来的にも「だし」を使ったヘルシーな和食を好んで食べるという研究結果が出ています。離乳期から健全で豊かな食習慣を身につけることで、大人になってからの肥満や生活習慣病のリスクを軽減することにもつながります。

浜田 峰子

執筆者:浜田 峰子

食育ガイド

だしで肥満や生活習慣病も予防!

乳幼児期に「だし」の風味を覚えた子どもは、将来的にも「だし」を使ったヘルシーな和食を好んで食べるという研究結果が出ています。離乳期から健全で豊かな食習慣を身につけることで、大人になってからの肥満や生活習慣病のリスクを軽減することにもつながる事がわかっています。

現代社会は、色々な食べ物にあふれています。ハンバーガーやピザといった高カロリー食に炭酸飲料の組み合わせが、小さい頃からの食習慣によってやめられない人も少なくないことと思います。
しかし、子供の将来を考えたときには、大人世代がもっと和食やだしの旨味の美味しさを見直し、それを離乳食に取り入れて、健やかな子供の未来を創っていく必要があるといえます。

【参考引用文献】
※「おいしさの科学と健康」京都大学大学院農学研究科農学博士 伏木亨

子供の味覚を形成するだしのポイント3つ

離乳期から健全な味覚を形成し、大人になってからの肥満や生活習慣病のリスクを減らすためにも必要な、だしのポイントを3つご紹介します。

1.だしをベースに薄味で素材の味を活かす

消化器官の働きがまだまだ未成熟な乳幼児には、濃い味付けのものは内臓にも負担がかかります。離乳食はだしをベースに、素材の味を活かした調理方法がベスト。

■離乳食ゴックン期のだしの種類

・昆布だし
10倍粥も昆布だしで作ると風味よく仕上がります。

■離乳食カミカミ期(9か月頃~)のだしの種類

・かつおだし
・煮干しだし
これら2つのタンパク質のだしも使えるようになります。単品使いより2種類以上組み合わせてだしをとると、より旨味が増します。

2.だしの簡単な取り方を知ってストックを使う

だしの取り方には2種類あります。水につけておくだけで簡単な水出し。一般的なだしの取り方である火にかける湯出しです。湯出しの方がより濃い旨味になります。

■だしの取り方・水出しの場合
昆布の表面を、固くしぼったふきんなどででさっと拭き、水またはぬるま湯に、冬なら3~4時間、夏なら2時間ほど漬けておくだけでOK。
水出しにすると昆布の外側のうまみだけが出るため、上品なだしが取れます。

■湯出しの場合
昆布の表面を、固くしぼったふきんなどで拭き、鍋に水をはり昆布を30分漬け、その後で火にかけます。煮立つ直前に昆布を取り出して取ります。


3.一回分ずつ凍らせて保存したものを活かす

離乳食初期、ドロドロ状のペーストをちょっとなめらかにのばしたい時、1回使い切り分の量のだしがあるととても便利です。まとめて作って冷凍しておきましょう。

素材の味を活かして濃い味付けはしないのが離乳食の基本。インスタントのだしは塩分や化学調味料が多いので天然のだしを常に使うために冷凍して使いましょう。

■製氷皿を利用
離乳食初期の冷凍に便利なのが、製氷皿。赤ちゃんの食事量がまだ少ないこの時期、氷1個分くらいが、ちょうど1食に使う分量になります。製氷皿で固めてからビニール袋に入れてまとめて保存を

【参考引用文献】
※食育de元気いっぱい♪くらしきWeb 離乳食の作り方と与え方

子供の味覚の形成と将来の健全な成長は、離乳食が決め手です。0才からぜひ皆さんもだしを積極的に取り入れてみてください。
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