マルチプルワーク(複数の仕事)は金持ち体質になるひとつの方法
私は「マルチプルワーク」を提唱しています。自分の可能性を広げる働き方のひとつだと感じているからです。ひとつの仕事を軸に、関連する他の仕事へと派生させる。すると面白そうなものにぶつかる。それをまた仕事にしてみる。そうやって多面的な自分を作っていく。もちろん、意図せざる偶然や幸運や不運もある。そんな偶然すら取り込んで、自分のチャンスに変える意識を持っておけば、「おお、これはもしかしたらビジネスになるかも」という発想につながります。
たとえば、ニュージーランドにいる知人の女性は、現地でツアーコンダクターを始めました。でもそのうち、ニュージーランドに住みたいという人の賃貸住宅の斡旋をするようになりました。その後、家を買いたいという人のためにビジネスを展開しようと不動産売買免許を取り、不動産エージェントとしての仕事を始めたそうです。
さらに、永住したいという人のために永住権取得のサポートする仕事を始め、留学の斡旋もやり、その縁でニュージーランドを紹介する冊子やウェブのコラムを書くようになったそうです。
別の友人で、東京で花屋を経営している女性がいます。彼女一人の自営業ですが、本業のフラワーアレンジメントの仕事に加え、フラワーデザイン教室の運営、ウエディングプランナーといった本業周辺の仕事もしています。さらに、カメラマン、オリジナル香水の販売など、複数の事業を掛け持ちしています。
それも、顧客や取引先から「これもやってもらえないかな」「こういうのできない?」という声に答えてやっているうちに、継続的な仕事になったとのこと。
いずれも偶然から始まったものであり、どれも細々としてはいるそうですが、全部あわせるとまとまった金額になります。彼女たちはそれらをすべて自分でやりつつ、充実しています。本業とか副業とかいう区別はなく、どれも本業なのです。
本来、人間とは多面的な才能を持っているものではないでしょうか。それに、どんな才能が開花するかは、やってみないとわかりません。だから、今の事業の周辺にちょっとだけ広げてみる。「めんどくさいなあ」とか「そんなのニーズあるのかなあ」と感じても、少しだけやってみる。それが、思いのほか広がったり、お金になったり、人生を変えてくれるきっかけになったりすることもあるはずです。
ひとつの分野を追求することは、もちろんそれはそれで意義のあることだと思いますが、逆に他の分野にチャレンジする機会を捨てていると捉えることもできます。そう考えると、たくさんの仕事を経験できることも意義のあること。なぜなら、自分の違う能力が開眼する可能性があるからです。
同様に、ひとつの会社に勤めてまっとうすることも素晴らしいことだけど、人生でひとつの業界、ひとつの会社しか経験できないというのも、自分の人生を狭めていると捉えることができます。従来のキャリアや得意分野を捨て、いまの快適なポジションを捨ててでも、違う仕事のやり方や今まで会ったことがない人たちとの仕事を経験することもまた素晴らしいことなのではないかと思います。
【関連記事】