パート5対策は受験勉強の延長になりがち
苦手な人が多いパート5
逆に、受験英語の勉強が生かされやすいパートでもあるため、その勉強法も実用英語を習得するアプローチとはかけ離れてしまうことが多いということにもなります。
つまり、「ひたすら問題演習をする」だけになってしまい、受験勉強の延長のようになってしまうわけです。
しかし、パート5対策においても、ちょっと工夫をすれば、「スコアアップ」と同時に、「使える英語の習得」に役立てることも可能です。
この記事では、パート5でやってしまいがちな英語力のつかない解き方を指摘した上で、私の主宰するTOEICスクールで行っているパート5の実用的な勉強法を紹介します。
英語力の上がらないパート5の解き方
TOEICのリーディングセクションでは、75分間で100問を解かなければならないため、リーディングの最初のパートであるパート5は、なるべく早く解きたいものです。実際、リーディングセクションを全て解き終わるためには、パート5は14分、パート6は6分で解き、パート7に55分くらい残すのが理想的です。そのため、多くの対策本などでも、解く時間を短縮する方法として、「問題に関連する箇所しか読まない」=「センテンスを最初から最後まで読まない」ということを勧めていることがあります。
確かに、品詞問題(動詞、名詞、形容詞、副詞を入れる)などでは、空欄の前後だけ読めば正解がわかる場合が多いので、「全文を読まなくてもよい」と考えたくなる気持ちはわかります。
ですが、それによって短縮できる時間はせいぜい2~3秒ですし、問題によっては全文を読まないと正解を選びにくいものもあるので、かえって時間のロスになったり、正答率が下がりやすくなったりすることもあります。
TOEIC学習を通して「使える英語力」も身につけたいのであれば、このような「ズル」に頼るのではなく、「パート5の短文を全部読んでいたら、時間がかかり過ぎてしまうから、空欄の前後しか読めない」というリーディング力をどうにかすることが先決ではないでしょうか。
つまり、全文を2秒くらいでさっと読めるようになることを目指すべきだということです。それが実際にビジネスの現場で求められる英語力でもあります。
そのためにも、練習段階から全文を読む訓練をするべきだと思います。このようなスタンスや志の違いだけで、将来的な英語力に大きな差がつくのです。