デンマークデザインの父:クリントの影響

この椅子は、彼の 師でありデンマークデザインの父と称されるデザイナー:コーレ・クリントが、1941年発表した「Øreklapstol/ウイングバックチェア」にも影響されている。

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コーレ・クリントが発表した「Øreklapstol/ウイングバックチェア」


クリントのデザインは、大振りなサイズが特徴の椅子で、頭部を支えるためのウイングによって仮眠を促すための機能が備わっている。

いずれもアームレストから背もたれにかけての曲線などのディテールは英国の伝統様式を継承しているが、モーエンセンは自分のデザインに何度も手直しを施し、クリントよりも、簡素ながらも機能的で手仕事の温もりがあるという彼のオリジナリティが遺憾なく発揮された椅子である。

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革張りバージョンのウィングバックチェア2204


本展ではクラシックな印象の皮革張りが定番の重厚で風格のあるイギリスの伝統的スタイルを生かしながらも、普通の家庭でも愛用されるようファブリックバージョンを登場させ、時代にあわせて新たな表情をまとったアイテム展示している。


人々に、社会に、無理なく浸透するデザイン思想の北欧名作椅子

 まさに時代や社会に沿ったリ・デザインの思想がカタチとなって現代性のある椅子となっている。

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ヘッドのウィングからアームへのラインが特徴的


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オレンジの布張りタイプはいかにも北欧らしい色使い


布張りバージョンは革張りのものよりやや安価になるため、比較的若い世代の方にも取り入れやすくなる設定となっている。

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背シートはベルクロ張りでメンテナンス性が高い


北欧家具の魅力は、奇をてらうことなく実用性や使い心地を重視し、日常の中にデザインが根付いていること。だからこそ色あせず時代を超えて暮らしの中で愛され続けている。

人々に、社会に、無理なく浸透するデザイン思想の北欧名作椅子、その座り心地、使い方、素材や他の家具との組合せ方等まさに「暮らし方を学ぶ」良き機会となり、北欧名作椅子を再認識する展示会でもある。

**北欧デザインの秀作アイテムを発表するノルディックフォルムの協力を得て、今後「北欧名作椅子を紹介するシリーズ」を企画中なのでお楽しみに!


■ Borge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)_1914年デンマーク生まれ。1934年家具マイスターの資格を得て家具職人としてのキャリアをスタート。1936年~38年コペンハーゲン芸術工芸学校家具科、1938年~41年王立芸術アカデミー家具科に在籍し、家具デザインを学ぶ。デンマーク近代家具デザインを確立したコーア・クリント、モーエンス・コッホに師事。王立芸術アカデミーにて教鞭を執る。1942年~デンマーク協同連合連合会家具部門に主任として勤務。シェーカー様式の椅子をアレンジした「J-39」を発表。1944年ハンス・J・ウェグナーと共作で「スポーツバックソファ」を発表。1950年に独立、設計事務所を開設する。



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