論述力・理数教育・伝統文化教育の重視が、新課程の3本の柱
新課程入試といっても全員が同条件。必要以上に心配する必要はない。
教育課程は地域性や生徒の実情などに応じて、学校単位で作成するのが基本ですが、教育内容を一定の水準に保つため、必ず文部科学省が定めた「学習指導要領」というガイドラインに沿ったものでなければなりません。学習指導要領は、これまでも定期的に改定されてきましたが、教育基本法の改正に伴い、2011年度に大きく変更されました。教育の場で大きな問題となっている学力低下の現状、あるいは国際化や情報化など、現代社会に起きている変化を踏まえて、これまでの「ゆとり」路線を事実上転換した点が大きな特徴となっています。
「新課程」とは、この新しい学習指導要領に基づく教育課程のことで、変更のポイントは次の3つにまとめることができます。1つめは、思考力・判断力・表現力等を育成するための「言語活動(記録・要約・説明・論述・討論など)の充実」。2つめは、グローバル化や高度情報化が進展する社会に対応するための「理数教育の充実」。そして3つめは、異文化や国際社会を理解するための大切な前提となる「伝統や文化教育の充実」です。
高校の枠組みでは英・数・国の3教科で必修科目が一本化されるなど、教育内容の共通性を高める一方で、「なになに以上は教えない」といった歯止めが緩められています。学習指導要領はあくまでも最低限の基準と位置づけ、学校ごとに発展的な学習も認められるなど、多様性にも配慮した改定といえます。